ボートレーサーが大津市・びわこボートでのレースで故意に順位を下げる見返りに報酬を受け取ったとされる八百長事件で、名古屋地検特捜部は28日、大津以外の18のレースでも同様の不正を行い、計約3400万円の授受があったとして、モーターボート競走法違反(贈収賄など)の疑いで、元選手の西川昌希(29)と親戚の会社員増川遵(じゅん)(53)=津市=の両容疑者を再逮捕した。
再逮捕容疑では、昨年1~9月、戸田、江戸川、蒲郡、津、三国、住之江、まるがめ、下関、若松、芦屋の10場、計18レースで事前に打ち合わせ、西川容疑者がわざと2着や3着になったり、舟券の対象外となる4着以下になったりした見返りに、増川容疑者から計3425万円を受け取ったとされる。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。
特捜部によると、増川容疑者はこの18レースをネットで投票し、1着から3着までの着順を当てる3連単を的中させた。最も高い倍率は396・5倍だった。金の受け渡しは振り込みや手渡しで、計20回以上あったという。
また、特捜部は28日、昨年7月に大津市・びわこボートで行われた2つのレースで西川容疑者が意図的に順位を下げ、増川容疑者から現金300万円を受け取ったとして、2人を同法違反の罪で起訴した。
両容疑者の再逮捕を受け、一般財団法人日本モーターボート競走会は「事件の全容が解明されるよう捜査に全面的に協力する。再発防止に全力で取り組む」とのコメントを出した。