2連覇を狙う神戸製鋼がサントリーに35―29で勝ち、開幕3連勝とした。昨季2位のサントリーは2敗目(1勝)を喫した。キヤノンはNECに38―12で快勝し、2勝1敗とした。NECは3連敗。
昨季の決勝カードの再現となった一戦。ノエビアスタジアムを最上段まで埋めた2万6312人の観衆がどよめいたのは後半16分だった。自陣でボールを持った元オールブラックスのカリスマ司令塔ダン・カーターが、左右に鋭いステップを踏んで大きくゲイン。さらに新加入したオールブラックスの巨漢FWレタリックが豪快に前進、さらにFB山中、フッカー有田がつなぎ、最後はCTBバックマンが相手タックルを突き破ってトライ。カーターがコンバージョンを蹴り込み、32―16のダブルスコアに。カーターは25分にもPGを成功。神鋼は難敵を破り、開幕3連勝だ。
「今日は特別な試合だった」とカーターは言った。阪神大震災の発生から25年を迎えた17日にはチーム全員で震災の記録映像を見た。そして地元神戸での試合となるこの日も、試合前のロッカーで再び見た。
「僕もクライストチャーチで大きな地震を経験したけれど、神戸の地震はもっと大規模だった。大変な状態から今の美しい町をつくりあげた神戸の人たちのハードワークに感動したし、今日はその感謝を込めてプレーした」とカーター。
今季、神鋼のジャージーには、震災での損壊から3カ月でスピード復旧を果たし、復興の象徴となった「第3高炉」があしらわれている。
「今日も、ピンチが続いたとき、このジャージーの力を感じたよ」とカーターは胸を張った。震災からの復興を果たした神戸の町に続き、神戸のラグビーが再びの黄金時代へと突き進む。