第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕・甲子園)に出場する32校が出そろった。中部地区から出場する10年ぶりの中京大中京(愛知)は、昨秋の明治神宮大会を制し、優勝候補として本番に挑む。強力打線の軸となるのが、プロ注目の3番・中山礼都(らいと)内野手(2年)だ。
持ち味は勝負強さにある。昨秋、中山が公式戦19試合で挙げた33打点はチームトップ。特に東海大会では、準決勝・藤枝明誠戦で自身の1試合最多6打点を挙げるなど、3試合で計10打点を稼ぎ出した。打ちたい気持ちが空回りした場面もあり、左打ちの強打者は「納得のいく成績を乗せなかった」と振り返るが、その反省を本番につなげる。
甲子園では進化した打撃を披露する。秋はノーステップ打法で臨んだが、右足を上げるフォームに改良中。「上半身だけで打ってしまい、下半身を使えていなかった。引っ張りの打球が少なかった」。そのため、オフの期間は下半身を徹底強化。距離を問わず、走ることをメインに取り組み、帰宅後も近所の階段でダッシュを繰り返す。高校通算15本塁打からの上積みも期待できそうだ。
名前の「礼都(らいと)」は、右翼手の「ライト」が由来。同校OBである父・慎也さん(44)の同世代に、イチロー(元マリナーズほか)や松井(元巨人、ヤンキースほか)、高橋(元巨人)ら、右翼手に好選手が多かったことから命名された。「ライトを守ったことは一度もない」と本人は笑うが、父が込めた野球への思いを感じながら、強肩好守のプロ注目遊撃手に成長した。
進路は、現時点ではプロ一本に絞っている。「まずは、チームの勝利に貢献したい。それが、いいアピールになればいい」。将来の夢が懸かるセンバツ本番で、秋よりレベルアップした姿を見せつける。