オリックスの新外国人選手、タイラー・ヒギンス投手(28)に日本球界入りの後押しをしたのは、中日関係者だった。大塚晶文国際渉外担当(48)だ。昨年、ヒギンスはパドレス傘下の3Aエルパソでプレーし、大塚氏から日本情報を入手していたというのだ。
大塚氏は中日に在籍したまま、2017年にパドレスの派遣コーチとして活動。昨年、ヒギンスは教え子となった。
「年間通して毎日、毎日、日本のことを聞いていたんだ。日本へ来ることができたのは彼のおかげだ。彼のおかげで、ますます日本へ来たくなっていたんだ」
技術指導やアドバイスも受けてきたはずだが、ヒギンスは「食事がおいしいという話をした」と振り返る。オリックスと契約を締結すると「おめでとう」と祝福された。
パドレス3Aでは牧田(今季から楽天)ともチームメートだった。牧田の通訳から「日本でやってはいけないこと、やっていいことを聞いた」。日本はチップがいらないとか、シャワーにサンダルを履いて行ってはいけない、裸足で行くようにという話を。
154キロのストレートに自信を持ち、チェンジアップ、カットボールを駆使する。「メジャーには行けなかったが、常に高いレベルでやりたいと思っていた。日本が最適と思った」。昨年は3Aで39試合に登板し、4勝1敗4セーブの防御率5・52。大塚氏は近鉄出身でもある。190センチの右腕は「バファローズ」先輩の薫陶を生かして、リリーフ陣に厚みを持たせる。