競馬予測人工知能の年表

Tsukasa OMOTO
Jan 4 · 14 min read

AlphaImpact を法人化した辺りで本当は出そうと思っていたこの記事、ずるずると先延ばししていたら2019年も終わりが見えてきたので、きりよく2019年まで含めた年表という形式でまとめ直してみた。

Medium の機能的に年表というレイアウトは表現が難しく、見づらいかもしれないが(というより見づらいと思うが)、年表っぽく読み進めてみて欲しい。当然だが、視点は AlphaImpact が中心にあるのをお忘れなく。


最初の方は人工知能関係なく、今の競馬システムの成り立ちみたいなところから始める。敬意と感謝を込めて。

1951年

9月

日本中央競馬会 (JRA) 設立

1962年

8月1日

地方競馬全国協会 (NAR) 設立

1968年

3月11日

JRAシステムサービス株式会社(通称JRA-SS) 設立

1975年

ソースが不明だが、オリジナルスピード指数が提唱されたらしい。

1980年

1月9日

原知範の誕生

1989年

4月23日

私が生まれる。平成元年生まれである。

1991年

サンデーサイレンスが社台スタリオンステーションにて種牡馬生活開始

1993年

2月23日

貫井駿の誕生。ちなみに、第126代天皇と同じ誕生日である。

1998年

JRDB の運営会社である株式会社ジェイ・アール・デー・ビー設立。

98年にあのビジネスを始めたことは素直に尊敬する。

1999年

netkeiba の運営会社である株式会社ネットドリーマーズ設立。

netkeiba は昨年、20周年だったわけだが、これも凄いなと思う。もうよく覚えてないけど、20年前ってようやく ADSL が普及し始めたかなとかそのぐらいだった覚えがあるので。

2001年

正確にいつ始まったのか特定できなかったが、原さん曰く、JRA-VAN データマイニング は少なくとも2001年には一部レースでデータ提供があったもよう(実際に予想データも入ってるようだ)。通信簿として記録が残っているのは2007年から。

しかし、こんなにも早くデータマイニング予想を研究ではなく、提供していたとは、JRA-SS 恐るべし。

2005年

12月

ディープインパクトがハーツクライに負ける。貫井さんはこのレースを見て、競馬に目覚めたらしい。

2006年

12月

ディープインパクト、ラストラン。最後の衝撃。


この辺りから競馬でも賢く動けば勝てるかもしれないみたいな動きが一部出てくる。

2009年

いわゆる”160億円”脱税事件。ニュースが出たのは10月らしいが、インターネットに記事が残っていない・・・。「UPRO 160億円 脱税」とかで調べれば、関連する情報は出てくる。ここでは、須田さんのブログを載せておく。

2012年

AlexNet の登場。ディープラーニングが機械学習界で頭角を現し始める。

2013年

12月

オルフェーヴル、ラストラン

2015年

3月10日

いわゆる馬券裁判、最高裁確定

この馬券裁判含め、数々の馬券裁判については、

が大変良いまとめになっている。


2016年

ディープインパクトのラストランから10年。この頃から時計の針が動き出す。

1月

stockedge さんのブログが年明けにバズった。

何を隠そう、私も stockedge さんのこの記事を読んで“投資競馬”を始めた。1週間後には下記の本を購入し、自分でレースを試しに予想してみたところ、いくつか的中してしまったので(!)、これなら絶対勝てると見込んで本格的に取り組み始めた。

3月

第1回電脳賞開催。「AlphaKeiba」が月間回収率100%超えを達成し、話題となった。

6月12日

貫井さんと私が出会うきっかけとなった、第1回ウマナリティクスが開催された。

6月18日

知り合って1週間後に、AlphaImpact 結成。上野で馬刺しを食いながら話したのは今でも鮮明に覚えている。このスピード感。

9月

AlphaImpact デビュー。秋G1には間に合わせたいという思いで開発していた。

11月

株式会社GAUSS が開発する SIVA がデビュー。

同月末、原さんが AlphaImpact に加わる。

12月

2017年

3月

第2回電脳賞が開催された。

ウマい馬券(中央)に回収型人工知能的中型人工知能がデビュー。

10月

プロ競馬AIエンジニア、誕生。この後、彼は私と Mamba の開発に従事する。

12月

ウマい馬券(地方)に回収型人工知能的中型人工知能がデビュー

2018年

3月

第3回電脳賞が開催された。

人工知能募金がスタートした。Mamba の誕生である。Mamba による運用益は 58万990円 となり、これは全額各団体へ寄付された。

9月

Mamba 2nd シーズンが開始し、+700万という圧倒的な成績を収めた。

10月

競馬新聞 馬サブロー に AlphaImpact が予想提供開始

12月

NHK制作番組『ノーナレ』に AlphaImpact のメンバー(主に貫井さん)が出演した。図らずも“箸ポテチ”の存在が世に知れ渡った。

2019年

2月

株式会社AlphaImpact 設立

4月

大井競馬のPRに (株) AlphaImpact が協力

6月

私がドワンゴを退職。

ゼブラアイがウマい馬券デビュー

12月

松風が+1700万円を達成


さて、2020年はどのような1年になるだろうか。

競馬AIはこの3年ほどの間に数々の“壁”を突破してきた。この壁というのは分かりやすくドラゴンボールで例えるならば、超サイヤ人の壁(超サイヤ人1が2になる前に感じる壁)のようなもので、ある一定のところまでいくと、まだ上に行けるという実感だけあって、実現方法がわからない状況に辿り着く。

これを突破できなかったものは、開発のモチベーションが続かなかったり、技術的な限界だったりで自然と消え、幾度となく諦めず突破してきたものだけが今も生き残っている。

あまりそいういう風に認識されてはいないように感じるが、ドワンゴが開発した Mamba というのはその中でも最も困難とされていた壁を突破した本当に価値あるものであった。その成績は前述の通り圧倒的で、その意志を引き継いだであろう松風も2019年は文句なしの好成績を収めている。

これらの域に達したAI達(観測できるものも、そうでないものも)にとって2020年の1年は本当に重要な1年になることが容易に想像できる。また来年、我々が生き残っていればその結果を書こうかなと思う。

エトワール凱旋門に臨む貫井駿(後ろ姿)

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