「自己肯定感」と「自己効力感」の両立
言葉で伝えるだけでなく、南さん自身も手本になろうとしている?
南:そうですね。そうありたいと思っていますし、「パパはいつも楽しそうだね」とよく言われます。言葉で伝えるときも、「だから海外に行け」とか「将来は起業したほうがいい」とか、具体的な行動までは示さないです。別にサラリーマンになってもいいし、どんな選択をするのも自由。そういうふうに伝えていたからか、娘が中学に入る面接で面白いことを言っていました。
「将来は何になりたいですか」という質問に対して、「将来何をするかは今は分からないです。分からないけれど、10年後、20年後、その時々の世の中に困り事はあるはずだから、それを解決できる仕事をしたいです」と答えたらしくて。小学6年時点でそんなことを言うなんて、わが娘ながら面白いなと思いました。
かなり抽象度の高い思考ができる娘さんなのですね。父親と母親の役割の違いについて、ご夫婦で決めていることはあるのですか?
南:なんとなくありますね。子どもたちの日々の行動を承認して、「存在するだけで素晴らしい」と自己肯定感を与える役割は妻が。僕が与えるのは、社会を生き抜くために必要な考え方で、「どんな社会がやってきても、自分は乗り越えられる」という“自己効力感”です。
その点では、息子は自己効力感がとても強く育っていますね。1人で海外に行くのも平気で、この間もドバイ経由でマルタまで1カ月間の語学留学に行っていました。
家族関係として理想的なあり方のイメージはありますか?
南:お互いにやりたいことを応援できる一員同士のつながりでありたいと思っています。子どもたちがまだ小さかった頃、妻は「家族はできるだけ一緒にいて、週末も一緒に過ごして、同じ時間を共有したい」と言ってきて、よく衝突していたんです。家族だからといって常に一緒にいることが善ではなくて、家族だからこそそれぞれの好きなことをサポートし合える関係でいたいと僕は思っていて。「将来、子どもにどうなってほしいの?」と妻に聞くと、「幸せになってくれればいい」と。「だったら、好きなことを自由にできる経験をさせていこうよ」と話をしました。(後編は2月4日公開予定)
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井手直行氏 ヤッホーブルーイング社長
仲山進也氏 楽天大学学長/仲山考材代表取締役
武田双雲氏 書道家
為末大氏 Deportare Partners代表/元陸上選手
コメント5件
janky
「社会に出る前に遊べ」では間違いなく手遅れ、子供のころ遊ばせないと子供は自立しないでしょう。
さんま
子供が二人いる共働き夫婦です。仕事よりも0歳から4歳くらいまでは子育ての方が確実にハードで、特に授乳中は夜中3時まで働くどころか1日数時間しか睡眠時間は取れません。仕事なんて好きな時にトイレに行ってコーヒーだって飲めますよね。この期間の子育
てはトイレに行くことも自分がシャワーを浴びることも、まともなご飯を食べて作ることもままなりません。...続きを読むこの期間に片親が子育てに携われない事が多くの人にとって問題だと思います。
この記事から大変な子育てと仕事の両立の話が見えてこないのですが。。。普通にワンオペの奥さんに支えられて仕事をされて来た方のようにしか見えないのですが。。。
z
遊ぶのにしても、子供の頃より大人になってからのほうが断然たのしいですからね。そこだけは理解できますよ。
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