自分を幸せにできない人が、わが子を幸せにできるとは思わない
ご夫婦で決めている「子育ての方針」はありますか?
南:子育てのゴールを考えて突き詰めると、シンプルに「自立した人間を育てる」ことしかないですよね。これ以外にないと思います。「勉強ができる子に」や「スポーツができる子に」と願うのは、親のエゴでしかない。子どもの運命は子ども自身が勝手に切り開けばいい。
「自立した人間」とは具体的にどういうイメージでしょうか。
南:まず、圧倒的な自己肯定感を持っていること。世の中の価値観や既存のルールにとらわれず、自分の頭で考えて、率先して動けて、誰とでも仲良くなれて仲間をつくれる。これさえ実現すれば、どこにでも行けるし、何をしたって「人生の成功者」になれるじゃないですか。人が幸せに生きるって、そういうことじゃないかと思うんですよね。
目先の成績にとらわれることではない、ということですね。
南:「頭を良くして一流企業に就職させてあげれば、子どもが幸せになる」ということはないはずです。だって、「いい会社」で働いている人の中にも、苦しそうな人はいっぱいいますよね。幸せを約束するのは成績ではありません。
結局は、親が「幸せに生きるとはどういうことか」と突き詰めて考えないといけないし、それを自ら実践して、自分自身がハッピーに生きていないといけません。自分を幸せにできない人が、わが子を幸せにできるとは思えない。それは子育てに限らず、会社経営におけるメンバーとの関わり方とも一緒ですよね。
どんな時代になっても、幸せに生きられる愛があふれる人間にしてあげること。それが一番の教育だと僕は思っているんです。
その思いは、お子さんにも直接伝えていますか。
南:よく話していますね。なんとなく深い話が理解できるようになる小学3年生くらいから。「いい大学に行って、いい会社に勤めようなんて発想はするなよ」「社会はこれからこういうふうに変化していき、テクノロジーも進化していくから、今、君たちが想像できる未来はおそらく全部実現するだろう。いつになるかは分からないけれど、必ずできる。世の中は変わる。だから、今この時点で是とされている概念をうのみにするな。『とりあえずこっちに進めば安泰』という発想は全部捨てろ」と。普段、社内で言っていることとまったく一緒ですね。
けれど、一方でこうも言うんです。「かといって、背を向けるな。斜に構えて生きろ」。
コメント5件
janky
「社会に出る前に遊べ」では間違いなく手遅れ、子供のころ遊ばせないと子供は自立しないでしょう。
さんま
子供が二人いる共働き夫婦です。仕事よりも0歳から4歳くらいまでは子育ての方が確実にハードで、特に授乳中は夜中3時まで働くどころか1日数時間しか睡眠時間は取れません。仕事なんて好きな時にトイレに行ってコーヒーだって飲めますよね。この期間の子育
てはトイレに行くことも自分がシャワーを浴びることも、まともなご飯を食べて作ることもままなりません。...続きを読むこの期間に片親が子育てに携われない事が多くの人にとって問題だと思います。
この記事から大変な子育てと仕事の両立の話が見えてこないのですが。。。普通にワンオペの奥さんに支えられて仕事をされて来た方のようにしか見えないのですが。。。
z
遊ぶのにしても、子供の頃より大人になってからのほうが断然たのしいですからね。そこだけは理解できますよ。
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