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【政治】

拒む首相 変わらず 桜領収書「調べる必要ない」「同じ質問には同じ答え」

衆院予算委で「桜を見る会」の資料を見る安倍首相=27日、国会で

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 安倍晋三首相は二十七日の衆院予算委員会で、自身が主催した「桜を見る会」を巡り、野党の質問に正面から答えず、調査要求も全面的に拒否した。一問一答形式の国会論戦は昨年十一月八日の参院予算委以来、約二カ月半ぶりだったが、首相の態度は変わらなかった。説明を拒む首相に野党は反発を強めた。 (妹尾聡太、井上峻輔)

 「今日が桜を見る会について首相が説明責任を果たすスタートだ。疑念を可能な限り晴らす強い意志をお持ちか」。立憲民主党の黒岩宇洋(たかひろ)氏がただした。首相は「当然、疑念に対しては丁寧に真摯(しんし)に答えないといけない」と応じたが、行動を伴わないことがすぐに明らかになった。

 首相は、昨年の会前夜に都内の高級ホテルで開かれた後援会主催の懇親会の実態を黒岩氏に問われ、証拠となる書類を調査することを拒んだ。出席者がホテル側から受け取ったとされる領収書についても、その存在を「調べる必要はない」と言い切った。

 野党共同会派の江田憲司氏は、首相が自身の推薦で昨年、約八百人の地元後援会関係者を会に招いたことについて「どういう発想で呼んだのか」と追及。首相は「結果として招待者数が膨れ上がった」と経過を説明するだけで、大量招待の理由には触れなかった。江田氏の再質問にも「同じ質問には同じ答えしかできない」と突っぱねた。

 自民党議員三人の公職選挙法違反疑惑に関しても、首相は「答弁拒否」に徹した。立民の大串博志氏は三氏が説明責任を果たしているかどうか、首相の見解を問うた。首相は「責任を果たしたか否かは国民の判断だ」と自身の考えを示さなかった。大串氏は「逃げそのものだ」と反発した。

 首相は、三氏のうち河井案里参院議員側に昨年の参院選に際して自民党本部から一億五千万円が提供された問題についても「私が答えなければいけないのかと言えば、そんなことはない」と答弁を避けた。

 黒岩氏は質疑後、首相の答弁姿勢について「これだけの疑念が持たれているのに全く説明する気がない」と記者団に語った。

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