動物は「報酬」を求める。動物が食物や異性を報酬と感じるのは、個体や種を保存するために備わった本能的な機能であるといってもいい。人間とて例外ではない。
しかし、それ以外にも報酬は存在する。人には、寝食を忘れて何かに打ち込むとき、あるいは、どうしても飲酒やたばこ、もしくはギャンブルやスマホゲームをやめられないときがある。
そんなとき、私たちはそれらがもたらす「快感」を求めるため、とてつもない労力と時間を消費している。ときには苦痛や恐怖もかえりみず、快感を求めるのである。この快感こそは、「報酬」の最たるものにほかならない。
快感という報酬は、動物の行動を強力に促進する。そのまま野放しにしていたら社会は成り立たなくなるほどにだ。だから、人はさまざまな法律や宗教をつくりだし、快感を求める行動を制限している。
欲望のおもむくままに犯した悪事であれ、宗教的な思想からなされた慈善行為であれ、日常の食事や性行動であれ、動物は行う内発的な行動のほとんど、あるいはすべては脳内の「報酬」にかかわる特定の神経回路、いわゆる「報酬系」に支配されていると言ってもよい。
そもそも、「報酬系」とはいったい何者なのか?