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下関市、長門市の2市で構成される山口4区。有権者数は25万1462人(19年9月現在)。首相の父、晋太郎(元外相)の代から続く安倍家の牙城だ
昨年の「桜を見る会」疑惑をなんとか乗り切った安倍首相。各メディアの世論調査でも内閣支持率は40%台で横ばいと堅調だ。
しかし今、首相のお膝元・山口4区では異変が起こっている。地元の自民支持者の間で"安倍離れ"が静かに進んでいるというのだ。これは、政局激変の予兆か? 現地に急行!
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安倍首相は1993年の衆院初当選以来、無敗の9連勝。山口4区は安倍首相にとってまさに金城湯池の無風選挙区だ。
しかし今、この安倍王国・山口4区、「桜を見る会」疑惑をきっかけに異変が起きている。下関市民のひとりが安倍派の支援者から直接聞いた話として、こう証言する。
「毎年、安倍事務所は下関市で新年会を開催するのですが、私の友人でそれに毎年参加する女性がいます。熱心な安倍支援者で、多い年にはひとりで30人近くに参加チケットを売りさばいていたはずです。しかし、その女性が『今年の新年会には参加しない、安倍事務所に協力してチケットも売りさばかない』と宣言したのには驚きました」(下関在住・60代女性)
いったい、山口4区の有権者の意識にどんな変化が生じているのか?
今でも山口4区で安倍首相は圧倒的な存在であるだけに、有権者の口は総じて重たい。特に自民支持者ともなると、ほとんどが取材拒否。わずかに取材できた人も「対面取材は周囲の目があってちょっと。電話で構わないのなら」といった感じだ。
ただ、そんな状況でも何度も耳にしたふたつのキーワードがあった。それは「恥」と「共犯者」という言葉だ。桜を見る会に参加したという人物が匿名を条件に言葉少なげにこう話してくれた。
「説明から逃げる安倍さんは恥ずかしいけど、自分も恥ずかしい。共犯者になったという自責の念もある」
桜を見る会疑惑を取材する地元紙記者が、この参加者の胸中をこう代弁する。
「恥ずかしいというセリフは私も何度か耳にしています。ただ、それも当然でしょう。首相が招待基準として説明している『各界で功績、功労のあった』人でもないのに、首相に招待されたからとお上りさんのように集団で新宿御苑に行き、公金で飲み食いしたのですから。実際、山口晋友会(安倍後援会)メンバーからも、『さすがにこの体たらくでは格好がつかない』というグチが漏れ出ています」
「『桜を見る会』問題の真実を求める下関・長門市民の会」の豊嶋耕治共同代表が続ける。
「新宿御苑に行った人に話を聞くと、安倍事務所から誘われてツアー感覚で参加した人が多いんです。旅行代金も8万円近く自腹で払っていることもあって、桜を見る会の参加費用が含まれていると誤解していた人も少なくありません。
ところが、フタを開けてみると飲食は公費、招待基準も満たしていないと知らされ、参加は供応・買収という公選法違反の疑いが浮上することになった。参加者にしてみれば、知らない間に公選法違反の共犯者にされたという思いがあったとしても不思議ではありません」
これ以上、安倍首相の嘘やごまかしに付き合わされるのはたまったものではない、という有権者の声が広がっている。
■『週刊プレイボーイ6号』(1月27日発売)巻頭特集「現地ルポ 王国・山口県で『安倍恥』が拡大中!!」より
→「桜を見る会」参加者が「違反の片棒を担がされた」と憤慨。支援者たちにじわりと広がる「安倍首相は恥ずかしい」の声――。熱心な支持者はなぜ心変わりしたのか? 現地・山口4区の空気を示すふたつのキーワードとは? 10万票割れが潮目になる? 他、現地の声を徹底取材で見えた「安倍恥」の高まり。
カギは野党再編! 安倍首相「桜散らし解散」はあるのか
安倍首相は12月9日の会見で「解散を断行することにちゅうちょはない」と発言。その真意は?
「安倍総理はうまく逃げ切った。これで災害対策として10兆円規模の補正予算を仕上げれば、年明けには『桜を見る会』問題も沈静化するはずです」
12月9日に臨時国会が閉会したことを受け、自民党の某議員秘書はこうささやいた。
「桜を見る会」疑惑をめぐり、臨時国会で見せた安倍晋三首相の立ち回りは終始一貫していた。疑惑について釈明したのは、参議院本会議や官邸ロビーでのぶら下がり会見など、自分が一方的に話せる場だけ。
一問一答形式で野党議員との攻防が予想される予算委員会での集中審議の開催はかたくなに拒み、ついに答弁席に立つことはなかった。
その一方で、内閣提出の法案成立率は93%(15本中14本)と上々。野党が準備していた内閣不信任案も出されることなく、すんなりと臨時国会を閉じることに成功したのだ。
「桜を見る会」だけでなく、2閣僚の辞任や萩生田(はぎうだ)光一文部科学大臣の「身の丈」発言でも国会が紛糾したことを思えば、"逃げるは恥だが役に立つ"を貫き通したという見方もできる。
しかし、政界の一寸先は闇。この"逃げ恥"作戦の影響で、安倍首相は自ら悲願とする憲法改正に関して「少なくないダメージを負った」と指摘するのは、国民投票広報機構の南部義典代表だ。
「『桜を見る会』関連の攻防に追われ、与党は今臨時国会で改憲の手続きを定めるための国民投票法改正案を成立させることができなかった。これで首相が掲げてきた『2020年憲法改正』の実現は事実上、ほぼ不可能となりました」
前出の自民党某議員秘書もこう続ける。
「国民投票法改正案が成立せず、継続審議となるのは安倍政権になってから5回目です。あまりの体たらくに、自民党内からも『首相の言う"改憲の決意"は単なるスローガンにすぎない』と怒る声が出るほど。
首相の任期は残り2年を切っており、麻生太郎副総理や二階俊博幹事長からは自民党総裁4選論も出ていますが、安倍首相の求心力の陰りは否めません」
そんななか、永田町でくすぶり続けているのが「年明け解散・総選挙説」。ジャーナリストの川村晃司氏が言う。
「与野党は国会閉会中の年末年始に内閣委員会を開き、『桜を見る会』疑惑について議論することで合意しています。ただ、自民は参加者名簿など、野党の要求する資料を出すことはないでしょう。
そうなれば、国民は説明不十分と評価し、内閣支持率がさらに下がりかねない。その流れに焦る安倍首相が、大型補正予算を仕上げて有権者に仕事ぶりをアピールした上で、1月に始まる通常国会の冒頭で解散・総選挙に打って出てもおかしくありません」
立憲民主党と国民民主党が水面下で進める年内合併の動きが不調に終われば、解散の確率はさらに高まるとの声も。
「合流話が流れて野党がバラバラなら、与党は断然有利です。選挙資金になる政党交付金も個々の野党ではまとまった額にならず、候補者の一本化も簡単ではない。自公勝利の道が見えてくれば、首相が多少議席を減らしてでも解散・総選挙を決断するひとつの材料になると思います」
じりじりと支持率を落とし、レームダックと化すのか。それとも局面打開のために、"逃げ恥"の総仕上げとして年明け早々にも「桜散らし解散」を仕掛けるのか。年末年始は波乱含みの政局となりそうだ。