@chablis777
シャブリ

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(喜美子)目標温度は 1,200度。窯たきの日数は 3日。
もし 3日で1,200度に到達せんかった場合でも薪の用意はしてある。
穴窯での初めての作品作り。
5日目になっても目標温度には達していませんでした。
♪~
薪を細くすれば 燃えるのが早くなり温度が上がるのではないか…。
幼い頃の風呂たきのことを思い出して喜美子は そう考えたのです。
♪~
1,200度 目標温度に到達しました。
・(鮫島)お姉さん!
(鮫島)缶ぽっくり…!えっ…。
お姉さん 缶ぽっくり!
今!?
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
(三津)あの…。(八郎)大学の頃 思い出すな。
えっ?卒業制作いうて。
はあ…。
こっちは 松永さんの頃より少し前や。
大学の施設も おんぼろでな雨漏りするようなとこでみんなで卒業に向けておっきな作品 取り組んだ。
はい…。
よう徹夜して 雑魚寝して…。
穴窯見てくる。
(鮫島)ちょ…。 あっおはようございます!(武志)おはよう。おはよう。
えっ えっ えっ 何してんねん 朝から。穴窯は?
1,200度いったで!缶ぽっくり教えてやってんねん。
缶ぽっくり… 1,200度いった!?
なんとか上がってくれたわ。えっ!
おはよう。おはようございます。
お母ちゃん 穴窯終わったん?
終わったよ終わったから ゆっくりしてんねん。
薪は ぎりぎり足りたんやな。うん。
ほな こっから冷えるまで…。
4日は かかるな。そうか…。
ほやけど とりあえずは 一安心ちゃう?せやな よかったあ。
三津も ご苦労さん。 ありがとうな。
うまくいったん?
こういう色合いが出てるはずや。
おめでとうございます!いや まだ開けてみな分からへんで。
いや! おめでとうございます!(笑い声)
ほな 練習や。はい。
何で 缶ぽっくり…。
前 来た時 できひんかったんやて。うん?
 回想 (武志)鈍くさいな。
うわあ…! か~ いってえ。(直子)もう 鮫島ぁ 貸してみ。
え~。鈍くさいなあ。
よし 勝負。大丈夫かいな…。
いくよ。
よ~い…。ドン!
(鮫島)直子さんに出直してこい言われたんです。
出直してこい?申し込んだんですぅ結婚を。えっ!
 回想 ♪~(「世界の国からこんにちは」)
♪~結婚して下さい。
♪~うん?結婚しませんか。
♪~えっ? 鮫島 何なん?
♪~結婚しよ! 幸せにするから!
缶ぽっくりもできひん男に幸せになんてできるわけないわあ。
アホか。
そんなんで わざわざ来るぅ?えらい朝早う来てな… うん?
うん?うん?
まぶしいな…。缶ぽっくりできへんのか!
ちょ ちょ ちょ…!(鮫島)え~!あ~! あ~! あ~!
もうええ もうええ もうええ…。ここに! 缶ぽっくりできへん…!
(八郎)もうええ言うてるやろ!(武志)あ~! できた!
できた…。(八郎 喜美子)お~!
できました!できてるやん。
こうか! これか!そうや! そうや!
あっ すごいやん。ケン ケン パッ。
そのまま直ちゃんとこ行け。行ってきま~す!
(八郎 喜美子)お~! お~!
ほんまやて うそやないて。
もう 後にして食べぇ。
ニンジン食べてえ。あかん。
(百合子)電話代もタダやないんよぉ。信じてくれへんのですぅ。
ほんまに ほんまや。
缶ぽっくり選手権大会で準優勝するくらいには うまなったで。
何や その大会。 準優勝て…。
ちょっと弱気やな。(笑い声)
(鮫島)もしもし? 聞いてる?もう 先 食べぇ。
先 言うてからにします。
改めて… 結婚しよう。 幸せにするから!
電話で そんな大事なこと!分かってる! 分かってるで。
お義兄さんとお姉さんみたいな夫婦やろ。
お義兄さんとお姉さんみたいな夫婦なろな?
よっしゃあ~!
結婚すんの!(百合子)よかったなあ!
(マツ)よかったあ。ほんま よかった…。
朝から もう…。しかも電話で…。
ほな すぐ大阪戻るな。
ありがとうございます。ありがとうございます!
世界の国から!ありがとうございま~す!
もうええから はよ食べぇ。はよ食べぇ もう。
(鮫島)ああ…!(八郎)もうええから。ほんまに ありがとうございます!
(八郎)もう分かった。(鮫島)ありがとうございます!
♪~
辞める?はい。
嫌なんですよねえ 穴窯なんて。こんなこと学びたくて来たわけじゃないのに。
話が違いますもん。火の番なんて やってられません。
時代に逆行してますよ。これからは 食器は 人間じゃなくて機械が洗うようになるんです。
食器洗い機っていって いずれ 一家に1台当たり前になるだろうって。
だから…機械でも洗える陶器を作らなきゃ。
それなのに 穴窯なんて…ちょっと ついていけません。
本当 申し訳ないですけど辞めさせてもらいます。荷物まとめます。 すぐ出ていきます。
(八郎)釉薬の配合が書いてある。
喜美子のノートや。
うちは もう全部 頭に入ってるから持っていき。
いえ そんな大事なもの受け取れません。
続けるやんな?
ここは辞めても 陶芸はやめへんのやろ?
大したこと教えてあげられへんかった。
それ 参考にして作ってや食器洗い機でも洗える作品を。
♪~
私… ここに来る前に何軒も よその工房を回ってきました。
弟子にして下さいって言っても断られて…。
どこも大抵言うんです。「女はなあ…。陶芸は 男やないと務まらんでえ」って…。
私 そんなふうに言われても今まで一度も思ったことなかったんですけど…。
初めて思いました…。
男だったら よかった。
♪~
フフフ…。
♪~
三津は かわはら工房を去っていきました。
そして その翌日。
柴田さんが新聞記者とカメラマンを連れてきて穴窯の取材を受けました。
(記者)自力でお調べになったと。はい。
(カメラマン)は~い じゃあ 撮りま~す!(シャッター音)
(カメラマン)お一人ずつのショットも。はい。
あっ もうちょっと左に…。
(シャッター音)
そして いよいよ穴窯から作品を取り出す日が来ました。
(佐久間)やっぱり見に来てはりましたな。(柴田)ああ。
気になりますわなあ。そら そうや。楽しみですぅ。ああ。
♪~
気ぃ付けや。
♪~
作品は焼きが甘く望んでいた色は出ていませんでした。
初めての窯たきは 失敗しました。


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