トレヴィの泉には言い伝えがある。
「後ろ向きにコインを投げ入れることができたなら、再びローマに来ることができる」と。
俺はコインを投げ入れることなく、再びローマを訪れた。
全てはジョジョの聖地巡礼を完成させるためである。
前回からのあらすじ
「前回」とはこのことだ。
一通り訪れたが、行きそこねた場所もあるし、やりそこねたこともある。そこでもう一度イタリアに行くことにした。
今回の行き先はナポリとローマである。ナポリについては既に書いた。
本記事ではローマについて書く。
ローマで行った場所
この地図でローマ市内に登録した場所は全て行っている。
ただし、前回紹介していて新規要素が無ければ本記事では取り上げない。なので前回の記事をまだ読んでいないのなら、先にそっちを読むことをおすすめする。
ローマ・テルミニ駅
今回はフィムミチーノ空港スタートなので、最初に訪れる聖地はテルミニ駅となる。前回の失敗*1を活かし、迷わず14ユーロでローマ直通の切符を買った。ついでにどの切符を買えばいいかわからなくて困っている日本人観光客に「とりあえず14ユーロの切符を買えばローマに行ける」と伝える。
テルミニ駅についたらまずやることはメローネの死亡場所を探すことである。
しかし「ここだ」と断言できる場所は見つからなかった。青枠の掲示板もそうだし、緑地に白矢印の出口標識も見つからない。掲示板はともかく、標識の方はそう簡単に入れ替わると思えないのだが。仕方がないので、出口案内が貼ってある柱のホームを撮影して外に出る。
旧アッピア街道
「街道の女王」の異名を持つアッピア街道。一般的にアッピア街道を歩くならサン・カッリストのカタコンベなどが有名だが、ジョジョ的にはもっとローマ中心部から離れた地点に向かう。上の写真がその場所だ。ここはローマまで南東12kmの地点である。
アッピア街道はアニメでは登場しなかったので、ローマまでの距離と遺跡の配置からこの地点で撮影した。位置的には「ポンペイ大帝の霊廟 (Mausoleo di Pompeo Magno) 」の近くである。
行き方としてはバスNo.118でサン・カッリストのカタコンベかドミネ・クォ・ヴァディス教会まで行き、そこからアッピア街道をテクテク歩いて行くのが分かりやすい。ただし、ドミネ・クォ・ヴァディス教会からだと片道7kmほど歩く必要があるが。
俺はクラウディア水道橋を見たかったので*2、メトロA線でSubaugusta駅まで行き、そこから水道橋公園を通って歩いて行った。
あるいは電車でトリッコラ駅まで行き、そこから歩くという手もある。ただ、せっかくならアッピア街道を自分の脚である程度歩いたほうが俺はいいと思う。
ボルゲーゼ公園
原作でチョコラータのヘリコプターを捕縛した場所。ここには前回も来ており、作中の地図で示された場所には何もないことを確認している。
ただ、前回は天候不良と体調不良によりピンチョの丘には登っていなかったので、再び訪れたというわけだ。
ピンチョの丘で有名なのはポポロ広場を見下ろす展望テラスである。だが俺は丘からコロッセオ方面を見たかったので、スペイン階段へ向かう道の途中にあるTerrazza Viale del Belvedereへ向かった。
地図を見て分かっていたが、ボルゲーゼ公園はコロッセオから遠すぎる。クソでかいヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂は視認できるとはいえ、ポルナレフに会うためここからコロッセオに向かうのは骨が折れそうだ。
ここから見れる光景は作中とはずいぶんと違うため、ジョジョの聖地巡礼として訪れるなら優先順位は下げていい。
ミリツィエの塔
アニメでチョコラータのヘリコプターを捕縛した塔のモデル。おそらく原作もこれをモデルにしている。
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風#30-31
ジョルノVSチョコラータ戦の舞台のモデルはミリツィエの塔という建物です
当初、原作の地図のボルケーゼ公園内でそれらしき建物を探したのですが見つからず、諦めてベネツィア広場に下ってきた最中にたまたまみつけた場所ですhttps://www.google.com/maps/@41.8964714,12.4842493,170a,35y,101.25h,55.49t/data=!3m1!1e3 …
こちらはヴェネツィア広場の近くにあるので、位置関係的にも悪くない。ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂からだとトラヤヌスの市場越しに見ることになる。
ローマの建物は全体的に低いので、ここに登ることができたらいい感じだと思うのだが、残念ながらそれは無理。どうしても登りたければアサクリをやろう。
ヴェネツィア広場
ブチャラティとセッコが戦った場所。前回も訪れたが、ここからコロッセオに行くのをやりそこねていたので。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂はあいかわらずでかい。今回ローマを周っていた際に、見晴らしのいい場所ならどこからでも記念堂が視認できて笑ってしまった。バルセロナでサグラダファミリアを目にするのに通じるものがある。それくらいの存在感だった。
記念堂を背にブチャラティとセッコの戦いの場へと向かう。
ブチャラティはここでポールダンスを披露していたが、この場所はバス停なのでポールには事欠かない。とはいえ人通りは多い場所なので、ここで実際にダンスするのはやめた方がいいだろう。
アニメではこの位置からセッコがポルナレフの姿を目にする*3。しかし実際には記念堂が邪魔してコロッセオを見ることはできない。
コロッセオを見るためには少し位置を移動する必要がある。
ここならばコロッセオを視認することができるが、さすがに建物として分かるだけだ。コロッセオに潜んでいる人物が義足だなんて、いったいどんな視力をしていたら分かるのだろうか。
8倍望遠鏡で見てもこの程度。セッコの視力はスタプラ並に違いない。
コロッセオへ向かえ
ヴェネツィア広場からコロッセオへは、ムッソリーニが軍事パレードをするために敷設したフォリ・インペリアリ通りを歩いていく。地下にはローマの遺跡が埋め立てられているので、ブチャラティとセッコは遺跡の中を突っ切って行ったと思われる。
フォリ・インペリアリ通りを進んでいくと、左手にメトロのコロッセオ駅が見える。その手前でセッコは地上に出た。
コロッセオ駅の先には、ブチャラティがドッピオと渡った横断歩道がある。
しかしアニメでの描写と微妙に違う。
アニメの横断歩道は実際の横断歩道よりもコロッセオ駅に近い位置にある。今更ながら気になって調べ、真実にたどり着く。
横断歩道は『2つ』あったッ!
このストリートビューは2014年10月に撮影されたものである。横断歩道が2つ写っているのが分かるだろうか。俺が撮影したのは「奥の横断歩道」であり、信号が設置されている。一方「手前の横断歩道」は柵で通れないようになっているが、位置はアニメ描写と一致する。
さらに立ち位置を反対車線に変えると、撮影時期は2011年11月に切り替わり、歩道の柵は消し飛び、横断歩道は手前の1つだけになる。
つまりアニメは過去にあった横断歩道を描いていたわけだ。
この5部アニメは聖地巡礼しやすいように、風景はあえて現代 (2017年)*4 のイタリアにしている。だからこれは意図的なものではないと考えられる。
おそらくこのシーンはロケで撮影した写真を参考にしたのではなく、ストリートビューを見て描いたのだろう。ストリートビューでアニメと同じ構図にすると2011年11月に自動で切り替わる。
従って横断歩道の撮影をする時は、今の横断歩道ではなく、昔の位置で撮影することをおすすめする。
コロッセオ前に行き、ミスタがスリスリしていた辺りを撮影。
入口でもあるのでさすがに人が多い。
本当ならばアニメと同じ構図、つまり横断歩道を渡ったところから撮影したかったが、残念ながら現在*5は無理である。
何かで「地下鉄の工事をやっている」と読んだことがある。先にも書いたとおり、ムッソリーニは軍事パレードのために「皇帝たちのフォルム」をぶった切る形で道を敷設した。つまりあの地下には古代ローマの貴重な遺跡が埋もれているわけだが、本当に地下鉄なのだとしたらその辺をどうするのだろうか。
コロッセオ
夜のコロッセオはいい感じに照らされている。
前回も来たコロッセオだが、今回はポルナレフの待機位置を特に気にしてみようと考えた。
ポルナレフがブチャラティを待ち構えていたのは、入場口の真上である。
コロッセオに入った人の多くはそのまま中心部に向かうので、この場所で待ち構えているのは理にかなっている。やって来た人間を一方的に観察することができるだろう。
ただし壁はそれなりの高さがあるため、健常者なら問題ないが、車椅子ユーザーのポルナレフにはちょっぴり見づらいと思う。
2階に上がり、コロッセオからヴェネツィア広場を監視しようと思ったが、残念ながらそれはできなかった。一番いい位置がブックショップに改造されており、外が見えないのである。仕方がないので一番マシな位置からヴェネツィア広場方面を眺める。