朝夕刊「責任能力ある」 浜松ひき逃げ控訴審◆検察側の鑑定医浜松市中区鍛冶町のスクランブル交差点で二〇一五年五月、五人が死傷したひき逃げ事件で、殺人や殺人未遂罪などに問われ、一審で懲役八年の判決を言い渡された中国籍の無職于静(ユジン)被告(36)=同市東区=の控訴審第四回公判が二十二日、東京高裁であった。検察側証人として出廷した浜松医科大の和久田智靖講師(精神医学)は「被告の統合失調症の影響は低かった」と述べ、責任能力があったとの見解を示した。 和久田医師は于被告を精神鑑定し、一審でも証言。于被告が事件当時、道路に沿って車を運転できていたことなどから、統合失調症の影響による興奮状態ではなかったと指摘。「幻聴や妄想もなかったと考えられ、事件への病気の影響は少ない」と述べた。 一審は、于被告の持病の統合失調症の影響は限定的で、完全責任能力はあったと判断。一方、弁護側は心神喪失状態だったとして、無罪を主張している。 一審判決によると、于被告は一五年五月、赤信号を無視して乗用車を急発進させ、中区鍛冶町のスクランブル交差点に進入。横断していた中区の主婦水鳥真希さん=当時(31)=をはねて死亡させ、水鳥さんの家族ら四人にも軽いけがを負わせて逃走した。 今、あなたにオススメ Recommended by PR情報 |
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