海外フォーラムRedditや海外メディアPolygonは、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の改造やデバイスを一切使用しないスピードランチャレンジへの試行錯誤の中で、同作のデータ内に含まれた『スターフォックス64』の宇宙戦闘機アーウィンのキャラクターデータを呼び出す方法が発見されたことを報じました。またその方法を応用し、世界新記録タイムが更新されたとしています。スピードランとは「ゲームの最短時間によるクリアを目指すプレイ」を指し、その条件はEDまでたどり着くことだったり、ゲーム内要素をフルコンプリートすることであったりします。このタイムを競うオンラインランキングサイトSpeedrun.comによれば、『ゼルダの伝説』シリーズの中でも『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は世界で5番目に人気のあるタイトルとのことです。アーウィンの呼び出しそれ自体が世界新記録に直接の影響を及ぼすわけではありませんが、記録更新にはアーウィンの呼び出しも可能な新しいテクニックの発見が関係しています。「ACE:Arbitrary Code Execution」と呼ばれるテクニックは、セーブファイルの名前を利用してまるでコードのように強制ロードならびに実行を可能とするものです。アーウィンの呼び出しは「ACE」によりゲームデータ内に残留する開発時およびテストの一部領域へアクセスし、行っているものです。この「ACE」発見により、スピードランナーのひとりLozoots氏は、過去一週間にわたって世界新記録を次々と更新しトップを独走。本作は過去四年間17分の壁を越えられることはなかったのですが、いまや12分代の記録がランキング上位に並んでいます。その一方でアーウィンは、スピードランにはまったく役に立たないものですが、とても興味深い要素です。なぜならJPEG画像が空間に張り付いてる…というものではなく機体が実際に飛行し、攻撃までしっかりアニメーション化されているからです。Twitchのクリップ動画を見ると、リンクの周囲を執拗に飛び回りレーザー砲を撃ってくる様子が確認できます。投稿者であるZfg1氏の動画内説明によれば「異なる特定のファイル名でACEを3回実行することによって、ファイル名の長さに文字制限がなくなり、任意の長さで任意のペイロードが入力可能になる。これはTotal Controlと呼ばれ、これにより基本的に何でもできるようになる」とのことです。今回の発見による記録更新、次は何分のタイムが「記録の壁」になるのか気になるところです。※ UPDATE(2020/1/25 19:40):本文中の技術的な記述の修正を行いました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。
2012年に初代作が配信開始された、Ndemic Creationsが開発する伝染病シミュレーションゲーム『Plague Inc.』。BBCが伝えるところによると、昨今の新型コロナウイルス感染拡大をうけ、同ゲームが新型コロナウイルス発生源である中国でベストセラーになったとのことです。同様に増えるプレイヤーやメディアからの問い合わせに対し、Ndemic Creationsは同社のウェブサイトにてコメントを発表しました。コメントでは、「『Plague Inc.』を現実的で大げさに誇張しないようにデザインし、そのことでCDCを始めとする世界的な健康機関からも認められています」としつつも、「『Plague Inc.』はあくまでもゲームであって、科学的なシミュレーションではありませんし、コロナウイルスは実際に大多数の人々の生活を脅かしている出来事です」としています。また、今回の感染拡大に関して、「常に地域や世界の健康機関から情報を得ることを勧めます」ともしています。先日、中国政府が800人以上の感染を認め、日本でも記事執筆時点で既に複数の感染者が確認されているコロナウイルス。意外なところでもその影響が見られている今回の感染拡大ですが、感染拡大が『Plague Inc.』での勝利時のようにならないことを祈るばかりです。
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