ソニックファンが中川大志さんを受け入れられない理由

今回は、現在炎上してる【ソニック・ザ・ムービー】の話をします。

なぜ炎上したかご存じでない方のために、状況を簡単に説明すると、

２０年以上ソニックの声優として活動してきた金丸淳一さんが担当声優を外されて、客寄せパンダとして人気タレント中川大志さんが起用された。

ということが突如公式より発表されたからです。

先に断っておきますが、私は中川大志さんを嫌っていたり憎いわけではありません。
中川さんがソニック好きを公言している事もあり、むしろ好感を抱いています。

それでも、20年以上ファンとしてソニックを追いかけている私は、CV:金丸淳一さん以外のソニックを受け入れる事ができないのです。

たかが声優が変わったくらいでおおげざだと思いますか？
そう思う人が多い事も客観的に理解はしているつもりです。

そんな人にこそこれからお話しするキャラクターの声に拘る理由を聞いてもらいたいし、少しでも、ほんの一部でも良いので理解してもらえたら嬉しいです。

また、俳優の声優起用については様々なご意見があるかとは思いますが、ここでは【ソニック・ザ・ムービー】についてのみ一人のファンとして意見を書いていこうと思います。

よろしくお願いします。

◇そもそも『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』ってご存じですか？◇

まずは前置きとして、ソニックとはどんなキャラクターなのかを紹介させてください。また、彼を紹介するにあたり参考にしたWikiページの文章が素晴らしかったので、引用しながら紹介させていただきます。必要な寄り道なので暫しお付き合いいただければ幸いです。

ソニックは任天堂の人気ソフトスマッシュブラザーズ(通称スマブラ)などでも登場しますが、正直なところ「よく知らないけど見た事はあるよ！」って方が多いのではないでしょうか。自分の周りでも原作をプレイした事のある人はかなり少数です。

日本ではこの程度の知名度である一方で、海外ではその名を轟かせる人気キャラクターとして定着しています。
特にイギリスでの人気は絶大で、2008年に国内No.1新聞社が行ったアンケート調査では『最も人気のあるゲームキャラクター』に選ばれた程です。

なぜ日本ではイマイチのソニックが、海外だとここまで人気なのかを説明しようとすると、メガドライブの起源から解説しなくてはならなくなるので、ここでは割愛させていただきます。興味がある方は調べてみてください。

さて、話を戻します。
ソニックはゲーム会社ＳＥＧＡ(セガ)が"任天堂のマリオ"に対抗すべく生み出したキャラクターです。

姿は、青いハリネズミを擬人化したもので"音速のハリネズミ"という異名の通りとても足が速いのが特徴です。

ちなみに『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のソニックとは"音速"という意味で、ヘッジホッグとは"ハリネズミ"という意味です。

ソニックが海外を中心に人気を博している理由は、その粋な性格にあります。

彼は自由な魂と冒険心の持ち主で、生きたいように生きることの自由さを何よりも大切にしています。

基本的に冷静沈着で怒ったりする様子は見られませんが、やる事が決まればそれ以上深く考えずに状況の中に飛び込むこともよくあります。
しかし自信は揺るぎなく、それは作中いかなる困難を前にしても変わりません。

普段から自分の正義には正直で困っている人を見ると放ってはおけず、人を助けるためならルールを無視することもあります。

また、鈍重さや悲哀を好みませんが、本当に嫌っているのは自由への抑圧です。

他人の命令に従うよりも自由でいることを好み、プレイヤーがボタンを押さずに放置していると腕時計を見てプレイヤーを急かしたり、それがあまりに長時間に及ぶ場合は自らステージから飛び降りてゲームを放棄したりします。

約20年前、ドリームキャスト版『ソニックアドベンチャー』より金丸淳一さんが担当声優となりフルボイスで声を当てられるようになりました。

そのセリフの端々で、日本語の合間にネイティブ寄りに近い英語が織り交ぜられる用になったのは、英語が堪能な金丸淳一さんの特技に由来します。

私の好きなソニックの名言の中に
『なにかを望むのはまっぴらだ。勇気一つあれば何でもできるぜ。一歩踏み出す、その気持ちさえあれば。』
というのがありますが、この台詞は彼の生き様をよく表現していると思います。

義理堅く自由で少しキザな人間味溢れるソニックに、私達は勇気をもらっているのです。

◇キャライメージと声◇

本題に入ります。

先ほどはソニックの"性格"を紹介しました。
無機質な言い方になりますが、これは"設定"にあたると思います。

公式から発表された説明や作品内でのソニックの行動を基に分析し言語化された、いわゆる操作マニュアルです。

ソニックがここから大きく外れた行動を取る事がないのは、それがソニックというキャラクターを人々が動かす時のルールだからです。

作品の制作者がこの"設定"を守りながら作品を作るからこそ、実際には生きていないソニックという存在に魂が宿り、一貫性のあるその生き様に我々も感情移入できるんだと思います。

ここで考えてみていただきたいのですが、この"設定"に『声』は含まれるのでしょうか？

もちろん私は「含まれる」と考えます。

しかし「含まれない」もしくは「重要な要素ではない」と考える方もいるからこそ、今回炎上したケースのように声優の差し替えが起きるのでしょう。

どうしてこのような認識の違いができてしまうのか。
私が思うに要因は2つあって、それは「キャラクターが会話している様子を想像できるか否か」と「どれほどキャラクター愛が強いか」だと思います。

先ほど申し上げたように、私は20年以上ソニックを応援し続けています。左心房にはクラシックソニックが住んでいて、今日も元気にループを回っています。

私の人格形成に影響を及ぼしたゲームの中に「ソニックアドベンチャー2（SA2）」というものがあるのですが、作中に登場するキャラクターが全員フルボイスでした。

SA2はストーリーがとても良くて何度もプレイしていたので、好きなシーンの台詞は今でも覚えています。もちろん脳内でシーンが再生される際のソニックは、金丸淳一さん演じる『金丸ソニック』です。

仮に、この過程でできあがるのが『ソニックのイメージ１』とします。

そして、原作をプレイせず、スマブラのキャラクターとしてソニックを知った方や今回の実写映画化でソニックを知った方が持っているイメージを『ソニックのイメージ2』とした時、ここには大きな認識の違いがあると思うんです。
(※一応補足しますが、"にわか"だからどうとかという意味ではなくて、あくまで認識に違いがあるという話です。私はソニックファンを皆家族だと思っています。)

『イメージ1』の私はソニックを家族の一員と同じくらい愛しているのですが、当然【声】もソニックの一部だと捉えています。
また、それは当然【変わる事はない個性】として認識しています。

仮にですけど、自分の親友の声がある日急に神木隆之介さんになってしまったら誰もが困惑すると思うんです。

しかし、大して話した事もないバイト先の先輩の声が多少変わったところで、気になる方はいないのではないでしょうか。

つまり何が言いたいのかというと、私を含む『イメージ1』の人たちは、"アテレコの技量"や"俳優が声優をやる事"を非難しているのでは無くて、

(大切な家族や親友同然の)キャラクターの声をコロコロ変えてくれんなよ。
と申しているのです。

金丸淳一さん以外の声は『ソニックの声』に成り得ないのです。

もちろんやむを得ない理由(縁起でもありませんが、病気や死去等)があれば、我々も世代交代を受け入れる事ができると思います。

ただ、今回のように特別な理由がないにも関わらず、客寄せパンダとして人気俳優の中川大志さんを起用して金丸淳一さんを外したのはどうしても許せません。

我々からすれば『ソニックの声』そのものを否定された気分なのです。

ある日急に父親の声を中川大志さんに変えられて『カッコいいから別にいいやろｗ』って言われてるのと同じです。

"馬鹿にするな"、"お前(映画の配給会社)にソニックの何が分かるんだ"と我々は憤っているのです。

受け入れられますか？
僕には無理でした。
こんな事で公式に裏切られて死ぬほど悔しいです。

実写映画化が情報公開されてからの約2年間、公開を楽しみに待っていましたが、こんなことになるなら最初から期待しなければよかった。
心からそう思います。

◇最後に◇
最後までお読みいただきありがとうございます。

自分の胸の内は今でもかなり複雑で、これを公開する前にも何度も書き消ししましたが100％伝えきれた自信はあまりないです。

拙い文章で不快にさせてしまった人もいると思います。すみません。

私には拡散力がないので、おそらくこの恨み節は配給会社やSEGA公式の偉い人まで届くことはありませんが、それでも声を上げずにはいられませんでした。

また、これだけ大々的にプレスリリースしているので、きっと何を言っても声優は中川大志さんから変わることはないのでしょう。

そもそもSEGA公式は国内でのソニックのブランディングを諦めてる印象ですからね。どうでもいいのかもしれません。

スマホケースくらい作ったらどうなんですか...

私は売り上げに貢献したくないので映画は見に行きませんが、円盤が発売された時にCV:金丸淳一さんのものが収録されていたら、購入することにしました。

成功してほしいと思う反面、盛大に爆死してほしいとも思っているので、そこに折り合いをつけた形です。

それでは。