日本酒を味わうとき、酒器にこだわりますか?
どんな酒器で飲もうかなぁと、悩むことはありますか?
酒器によって、お酒の味が変わることもありますよ。
酒器を選ぶときの基準はありますか?
デザインですか?
大きさですか?
形ですか?
お猪口や徳利など、酒器を集めるのが好きなんです。
お酒を飲むときは集めた酒器の中からその日の気分で選んでます!
・・・などという方もいるかもしれません。
一般的には、デザインで選んでいるという方が多いのではないでしょうか!?
日本酒の酒器も、ワイングラスと同じように器の形や材質によってお酒の味が変わるんです。
「このお酒には絶対この器が合うんだよね」等と決めつけずに、いろいろな器で飲んでみてください。
きっと、自分の好みの味を発見することができます。料理に合わせて酒器を変えてみるのもおすすめです。
ひとつのお酒で3種類の味が愉しめる!?
酒器の基本的なポイントを知っておくと、同じお酒でも違った味が愉しめます。
[1]口造りの厚さがお酒の甘みを変える!?
酒器の口造りが厚いものほど、お酒の甘みが感じられるそうです。
飲んだお酒は口造りを伝わって口に中に入っていきますが、口造りが厚いと甘みを感じやすい舌先に落ちるので、より甘く感じられるそうです。
逆に、口造りが薄いと、口に中に入ったお酒は舌先に落ちないので甘みを抑えることができるというのです。
辛口のお酒を飲む場合、口造りの厚いもので飲むことで甘みを補い、味にふくらみと広がりを与えることができます。
逆に甘口のお酒の場合は、口造りの薄いもので飲んでベタベタし過ぎないように甘みを適度に抑えるという楽しみ方ができます。
[2]口径の大きさがお酒の酸味を変える!?
酒器の口径が大きいものほど、飲んだお酒は舌の両脇に流れやすいのですが、舌の両脇は酸味を感じやすいため、より強く酸味を感じるというのです。
逆に口径が小さいものほど、お酒が舌の脇に流れずに中心を流れていくため、酸味を感じにくくなるのです。
お酒を飲むときは、酒の味の特徴を「補う」「抑える」という考え方ではなく、酸味の高いお酒は口径の大きなものを、酸度が低いものは口径の小さなものをと、お酒の特徴と口径の大きさを合わせることでよりお酒の個性を生かすことができるというのです。
[3]高さが酒の苦味(旨味)を変える!?
酒器の高さが低いものほど、飲む時の顔の角度がゆるいので、口に流れるお酒に勢いがなくなります。そのため、飲んだお酒は舌の奥の部分で広がっていきます。舌の奥の部分は、苦味や渋みを感じやすいため、より苦味を感じるようになります。
逆に高さがあるものは、飲む時の顔の角度がきつくなるので、勢いよく口の中に流れ込んでいきます。舌の奥でお酒が広がらないために苦味を感じにくくなります。
高さのあるもので飲むと、苦味だけでなく雑味も感じにくくなりますが、酒がもつ旨味をはっきりと感じることができます。
酒器の材質によってもお酒の味が変わる!?
酒器の素材(材質)によって、お酒の口当たりが変わってきます。
形が同じであっても、漆の材質なら最も軽い味わいに感じられます。
次にガラスや磁器の材質が軽い味わいに感じられ、陶器は最も重たく感じられます。
お燗する場合は、漆の酒器だと漆の臭いがお酒に移ってしまうので注意が必要です。
お酒を飲むとき、酒器に入れる分量は!?
お酒を飲むとき、酒器にはどのくらいの分量を入れるのがいいのでしょうか?
基本的には、おなかと一緒で腹八分目がいいです。
このあたりまでが良いですという厳密な決まりはありませんが、だいたい八文目を目安にするのがよいでしょう。
徳利でお酒を注いでもらう際、酒器の縁を人差し指でカバーするようにして、徳利が酒器に当たらないように配慮するとちょっとスマートですよ!