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「業界トップ水準」の飛行時間も強調:GPS無しでも自律飛行可能、「国産」小型産業用ドローン

» 2020年01月24日 08時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 自律制御システム研究所は2020年1月23日、屋内外で飛行可能な小型産業用ドローン「Mini」を発表した。独自開発の『国産』自立制御技術によって、GPSやGNSSデータが取得できない環境でも安全な自律飛行が可能といい、同社は、「工場内の巡回、屋内点検、倉庫内在庫管理、建物の外壁、橋梁下の点検など幅広い場所で適応できる」としている。

発表された小型の産業用ドローン「Mini」(クリックで拡大)

非GPS環境でも、「国産」技術用いたエッジ処理で自律飛行

 Miniは全長704mm、高さ300mm、重量(バッテリー1本含む)3.15kgと小型の機体。同社は既に全長1173mm、重量(バッテリー2本含む)7.07kgの産業用ドローンを提供してきたが、屋内外での点検や災害調査、倉庫内在庫管理などドローン活躍の場が増えるなかで、使い勝手やセキュリティの面から高まっていた「小型化、国産化の需要」に応じる形で開発を進めていたという。

Mini(右)と既存のドローン「ACSL-PF2」を並べている(クリックで拡大)

 Miniは、完全自律飛行時にはGPS環境下で水平10メートル/秒、非GPS環境下で水平2メートル/秒、上昇/下降は2メートル/秒の速度で飛行可能だ。本体はIP43の防塵防滴性能。最大風圧抵抗は10メートル/秒、最大飛行時間は48分(カメラ/ジンバル搭載時は33分)となっており、「小型化、軽量化および飛行制御の最適化によって業界トップ水準の最大飛行時間を実現した」としている。

 同社では、ドローンに搭載したカメラの画像からドローンが自己の位置および方角を把握するという、同社独自のアルゴリズムを用いたVisual SLAM技術*)によって、非GPS下でも自律飛行を可能としている。今回、Miniにはさらに、前方にはステレオカメラ2台、ほか6カ所にVCSEL(垂直共振器面発光レーザー)を用いたセンサーを搭載したといい、周囲との衝突を回避/軽減する機能も実現。非GPSかつ狭所の環境においても、安全な自律飛行が可能となっている。

*)編集注)Visual SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、カメラで撮影した映像から環境の3次元情報とカメラの位置姿勢を同時に推定する技術。

 また国産化という点についても、同社の取締役最高執行責任者(COO)鷲谷聡之氏は、「ねじ1本まで国産ということではないが、フライトコントローラーも独自開発の『国産』プログラムで、データセキュリティに関する部分は全て国産となっている。また、品質保証も日本で行っている」と説明。その安全性を強調していた。

この2つの出っ張り部分にステレオカメラが搭載されている(クリックで拡大)

 用途としては、主にインフラやプラントの点検および災害時の調査といった、撮影、点検などを想定している。価格は定価80万円(税別、オプション別)。

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