Androidに、マルウェアが正規アプリになりすませるという脆弱(ぜいじゃく)性が新たに発見されたという。サイバー犯罪者がこれを悪用すれば、テキストメッセージ、写真、ログイン資格情報、位置情報にアクセスできるだけでなく、電話の通話や通話記録の作成、端末のカメラやマイクのアクティブ化なども可能になる。
この脆弱性は「StrandHogg」と呼ばれている。バイキングの奇襲攻撃戦術を表す古ノルド語だ。この脆弱性を指摘したのはPromonとパートナー関係にある専門金融サービスセキュリティ企業だ。Promonによると、チェコにある複数の銀行の顧客がこの脆弱性によって金銭を失ったという。
「金銭を得るためにStrandHoggを悪用する攻撃者を既に確認している」と話すのは、PromonでCTO(最高技術責任者)を務めるトム・リズモス・ハンセン氏だ。
「これを放置すれば、引き起こされる損害規模や損害額の面で前例のない影響が起きる恐れがある。デフォルトの状態では大半のアプリが脆弱で、全バージョンのAndroidが影響を受けるためだ」(ハンセン氏)
StrandHoggは、最新リリースのAndroid 10を含むGoogleのモバイルOSの全バージョンに影響する。端末のルート化の有無は関係しない。
StrandHoggは、Androidのマルチタスクシステムの欠陥を悪用する。これにより、悪意を持ったアプリは標的の端末に存在する事実上全てのアプリになりすますことができる。これはAndroid制御設定の「taskAffinity」に基づく。この設定により、どのアプリでもマルチタスクシステム内で任意のIDを自由に使えるようになる。
つまり、悪意を持ったアプリは正規アプリになりすまして自身の存在を隠し、標的のアプリにとっては自然に見えるさまざまな権限を要求できる。正規アプリのアイコンがクリックされたときに悪意を持ったバージョンを表示し、ログイン資格情報などの機密情報を盗み出せるように端末を欺くことも可能だ。
Promonによると、StrandHoggに対する調査は4年前に米ペンシルベニア州立大学が行った調査を大幅に拡大したものだという。当時の調査でもStrandHoggの多くの側面を理論上特定していた。ただしGoogleが
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