競輪の先導員のルールが2019年5月31日に改正された!今後の影響などを徹底解説!

競輪の先導員のルールが2019年5月31日に改正された!今後の影響などを徹底解説!

UPDATE:2019.09.11
競輪コラム競輪マメ知識

競輪の「先導員」の役割はご存知ですか?

競輪のレースでは「先頭固定競走」と呼ばれるレース方法で行なわれています。

「先頭固定競走」とは、先導員がレースの先頭を走り誘導するという制度です。

また、2019年4月1日に先導員のルールが改正となり、ルールが変わりました。

この記事では、2019年4月1日に変更になった先導員のルールや先導員の役割について紹介していきます。

先導員って?

競輪 先導員って

競艇は「先頭固定競争」という方法が全てのレースがで取り入れられています。

先導員がレースの先頭を走り、審判の指示に従って選手たちを誘導します。

また、先導員は選手と同じ形の自転車に乗り、選手の前を走行します。

先導員の役割は?

なぜ、先導員がレースの先頭を走っているのでしょうか。

その理由として、「風の抵抗を軽減するため」と「後続を走る選手の動向を把握しやすくするため」です。

競輪は、かなりのスピードでレースを行うので、トップを走る選手は風邪の抵抗を受け、他の選手と比べるとかなり大きな影響を受けてしまいます。

そのため、この制度が導入されました。

また、先導員は「走路の長さ」、「クラス」、「レースの距離」によって、定められた基準タイムで走ることも、先頭員の重要な役目です。

そして、レース中の競輪選手たちは決められた位置になるまで、先導員を抜いてはいけません。

万が一、先導員を追い抜いてしまった場合は「失格」となっていしまいます。

失格になってしまう位置は失格になる位置とは、「333mのバンクだと残り3周」、「400mと500mのバンクは、残り2周半」です。

その位置を過ぎたら、審判員がワイヤレスのヘッドフォンを通して先頭を走る先導員に退避の指示を出します。

先導員のユニフォームや装備

先導員は役割を果たす為に、ヘルメットの内部にワイヤレスのヘッドフォンが装着されています。

また、競争中の競輪選手と区別するために、紺地に橙色のストライプのユニフォームを着用していいます。

先導員は手当が貰える!

競輪 先導員 手当

先導員は、普段のレースで貰える「出走手当」以外にも手当が支給されます。

新人競輪選手の中には、賞金が稼げない間にアルバイトとて稼げるように「先頭誘導員資格」を取得し、それぞれのレースで先導員として働いている競輪選手もいます。

先導員として貰えるお金はレースのクラスごとに金額が変わってきます。

GⅠの日本選手権の場合は第1日に行われる一次予選では16,000円、特別選抜予選では26,000円支給されます。

第5日に行われる準決勝では34,000円、第6日の決勝では177,000万円が支給されます。

A級3班の3日制(7車立て)の場合は第1日に行われる予選では3,000円、第3日に行われる決勝では7,000円が支給されます。

この様に、注目度の高いG1レースのようの大きなレースの決勝の先導員を担当すると17万円と、そこそこ高めな金額が支給されます。

そのため、選手として稼ぐ事が厳しい時に先導員をアルバイトとして収入を得たりもしています。

そのため、特に新人競輪選手にとっては先導員の仕事は生活の要となる大切な収入源の一つとなっています。

先導員は資格の取得が必要

競輪レースの先導員になるためには、誘導員試験の受験が必要となってきます。

試験に合格すると「誘導員資格」が与えられます。

合格の条件は、「競輪選手であること」と誘導員試験で行われる2,000メートルのタイムトライアルにおいて2分55秒以内である事が求められます。

なお、2,000メートルを2分55秒以内で走るのは、普段レースにでている競輪選手であれば、特に難なくクリアする事ができるタイムでしょう。

先導員は、それぞれの競輪場に常駐しており、大抵はホームバンクの競輪場のレースに出走しています。

出走の予定のない選手が先導員をする場合もあります。

先導員に対してもレースに応じた手当が支給されているため、賞金獲得金が少ない選手が誘導員を務めるケースが多くあります。

トップクラスの選手が先導員をすることは稀ですが、ファンサービスとして大きな大会で行なうこともあります。先導員の存在が、レースの走行をスムーズに運び、後半のレース展開を盛り上げているのです。

先導員に関するルール改正

2019年4月1日に、競輪の競技ルールが2019年5月31日を初日とする競輪レースから一部改正される事がJKA賞より発表されました。

変更のあった内容を簡単に挙げてみると

・早い段階で先導員を追い抜くことが出来なくなった
・暴走とも取れるスパートに関する規則が厳しくなった
・先頭員の安全を重視するようになった

細かい点の変更もありますが、大体はこの3点を抑えておけば大丈夫ではないでしょうか。

それでは、下記で改正のあった競技ルールを紹介します。

先頭員の早期追い抜きに関して失格となる基準の厳格化

競輪 先導員 失格の基準

まず、先導員の追い抜いた際に失格となる失格ゾーンの幅が拡大されました。

これにより、過度に早い段階での先行が抑制される事になるでしょう。

先頭員に対する危険行為及び妨害行為に関する失格基準の厳格化

競輪 先導員 危険行為

次に改正となったルールは、先導員への危険行為や妨害行為に関する失格基準です。

現在のルールでは「重大走行注意扱い」であった、先頭員追い抜き失格ゾーン内での先頭員に対する違反行為が失格扱いに変更されました。

尚、追い抜き可能ゾーンでの違反行為については、現在と同様に重大走行注意扱いとなっています。

先頭員に退避の指示を行う基準の変更

競輪 先導員 退避の基準

3つ目として改正されたルールは、先頭員が退避する事ができる基準が変わりました。

現行ルールでは「競走選手に追い越された後に、適正な走行により再び競走選手の先頭に出ることが困難と認められるとき」となっています。

これが、新しく改正されたルールでは「競走選手に追い越されたとき」と簡略化されました。

また、退避の指示を行う基準に「競走選手が外帯線の内側(退避路を含む)を走行する先頭員の自転車の後輪後端から直角に外帯線を結ぶ延長線を越えて外側に差し込んだとき」というものが新設されました。

暴走行為に関する失格基準の変更

競輪 先導員 暴走行為

4つ目の変更は、暴走行為に対する失格基準が厳しくなりました。

現行ルールでは「通常のスパート時期より相当早くスパートした選手が、他の選手に追い抜かれ、先頭で決勝線に到達した選手より、6秒程度以上離れて決勝線に到達したとき」に失格とされていました。

これが、改正された新ルールでは「打鐘開始前よりスパートしたが、他の選手に追い抜かれ、先頭で決勝線に到達した選手より、5秒以上離れて決勝線に到達したとき」に変更されました。

レースでの影響

上記では新しく改正になったルールについてご紹介しました。

では、この新しいルール改正によって実際のレースにはどのような影響が出てくるのでしょうか。

影響考えてみると、下記の3つが考えられるのではないでじょうか。

・ルール改正によりできなくなったこと
・競輪をスポーツしての競技性を向上
・ギャンブル性の低下

それでは、この3つの影響について詳しく見ていきましょう。

新ルールで出来なくなったこと

まず、新しく改正されたルールによりできなくなってしまった事があります。

以前のルールでは「誘導員を早めに切る=重大走行注意の対象」でしたが、新しいルールではこれが全て失格扱いになりました。

これまでは重大走行注意覚悟での早期追い抜きが事実上可能であり、違反点の加算具合によって徹底先行の選手の動きが変わるということもありました。

しかし、これからは一発で失格となるため、そもそも早期の先行を伴う戦法を取れなくなってしまいました。

上記ルールに加え、暴走行為に関する失格基準も「通常のスパート時期より相当早くスパート」という文言から「打鐘開始前よりスパート」と明言並びに厳格化されたため、極端な先行策を取るラインの先頭選手や単騎のかまし先行の選手などは動きを制限される形になってしまいました。

スポーツとしての競技性の向上

競輪 先導員 スポーツ

新しく改正されたルールによって、競輪がスポーツとしての競技性を高めたのでないかと考えられます。

無謀ともとれる暴走行為が抑止される事により、「選手全員が結果を求める」競技としての向上に繋がるでしょう。

ラインの先頭選手の早期先行による離脱も減ることが予想されるため、ラインで買いやすくなる可能性もあかもしれません。

以前のルールでは「違反点を承知で誘導を切る」というのは予想の一助にもなってはいましたが、競技としてそれが常態化してしまうことへの憂いもあったのかもしれません。

実力通りの結果になりギャンブル性が下がる

競輪 先導員 ギャンブル性の低下

新しいルールによって一番懸念される点は、ギャンブルとしての競輪の楽しみが低下してしまうかもしれない恐れです。

もし、早期の先行を制限してしまうと「強い相手に勝つためのラインぐるみでの先行」の様なギャンブル的な仕掛けが出来なくななってくるかもしれません。

レースにイレギュラーが起こりにくく、実力通りの結果となり、的中金額が下がる可能性が高まり、ギャンブルとしての面白みが減ってしまうのではないでしょうか。地脚通りの結果になる可能性が高くなり、面白みが減ってしまう。

まとめ

競輪 先導員 まとめ

この記事では先導員の役目や、新しくルールが改正される先導員のルールを紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

先導員は先頭を走る選手の風よけの役目になったりと、競輪には欠かせない存在です。

先導員に対するルールは様々ありますが、2019年5月31日からは新しくルールが改正となりました。

このルール改正については、競輪のレースにどのような影響を及ぼしてくるのかについては、様々な意見があるかもしれません。

ルールが改正された事による影響も紹介しましたが、あくまで推測の影響なので、ごく一部のものの意見と捉えてください。

実際にルールが改正されてから日数があまり経っていないので、今後も選手たちがどのような動きに変えてくるのかは注目すべきです。