【ワシントン=中村亮】米ホワイトハウスは23日、トランプ大統領が28日にイスラエルのネタニヤフ首相とワシントンで会談すると発表した。トランプ氏は23日、記者団に対し、米政権が策定してきたイスラエルとパレスチナの中東和平案について「おそらく会談の少し前に公表する」と表明した。ただパレスチナ側の米国に対する不信感は根強く、和平実現のハードルは高い。
トランプ氏はフロリダ州に向かう大統領専用機内で、米国の中東和平案をめぐり「すばらしい案だ」と強調した。これまで対話を拒否されてきたパレスチナ側とも接触していると主張。「最初は彼らが否定的な反応をすると思うが、実はこの案は建設的なものだ」と指摘した。「私はディールが大好きだ」とも語り、和平実現に意欲を示した。
イスラエル訪問中のペンス米副大統領は23日、エルサレムでネタニヤフ氏と会談。訪米を求めるトランプ氏の意向を伝えた。ネタニヤフ氏の発案でイスラエルの中道野党連合「青と白」を率いるガンツ元軍参謀総長も訪米することになった。
中東和平案をめぐってはパレスチナ側がトランプ政権を仲介役とみなしてこなかった。帰属を巡る争いがあるエルサレムに米大使館を移転するなどトランプ政権下でイスラエルに肩入れした政策ばかりが目立つからだ。エルサレムの帰属などを盛り込む和平案もイスラエルに有利な内容になるとみられている。
