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新型肺炎、中国の死者が25人に増加-WHO「緊急事態」宣言せず

更新日時
  • 中国当局、感染例は830件と発表-市外への移動制限する都市拡大
  • WHO、現在はまだ地域的な緊急事態と判断-注視続ける方針
People wearing masks walk on a street in Kwun Tong district of Hong Kong, China.

People wearing masks walk on a street in Kwun Tong district of Hong Kong, China.

Photographer: Paul Yeung/Bloomberg

中国は24日、新型コロナウイルスによる死者数が25人に増加したと発表した。中国が感染拡大の封じ込めに取り組む中、世界保健機関(WHO)は23日、同ウイルスを巡る現状について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送った。

  中国国家衛生健康委員会は声明で、23日終了時点で確認された感染例は830件に上ると発表した。死者数は従来18人としていた。

  新型ウイルスの震源地、湖北省武漢や近郊の数都市では市外への移動や人が集まるイベントが制限されている。地元当局やメディアによると、香港と北京では予定されていたイベント開催が中止された。

  新たにベトナムとシンガポールで感染者が確認されたほか、日本では2人目の感染者が報告された。中国では感染拡大阻止に向けて武漢を含む7都市が公共交通機関での移動を制限した。6都市はいずれも湖北省で黄岡、咸寧、潜江、仙桃、鄂州、赤壁。

  前日に続きジュネーブで開かれたWHO緊急委員会で専門家らの立場は「緊急事態」を宣言すべきかどうかで分かれた。結局、宣言を見送り、感染拡大の状況の注視を続けることで一致した。WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は10日以内に会合を再び開くつもりだが、状況が悪化すれば即座に招集すると述べた。

  同事務局長は記者説明会で、「これが中国における緊急事態であることは間違いないが、まだ国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態ではない」と発言。「しかし、そうなる可能性はある」と語った。

  「緊急事態」を宣言した場合、WHOは各国・地域の政府対応の調整を開始するとともに、感染拡大阻止のため移動や貿易の制限を求めることになる。

  中国国内では死者数が少なくとも17人に達した。新型ウイルスの新たな感染者は増加しており、報告された感染者は584人に上る。中国以外でも米国やタイ、日本などで感染者が確認された。シンガポールでも初めて感染者が報告された。

  WHOは「緊急事態」宣言が遅れた場合だけでなく、早過ぎた場合も過去に批判された。呼吸器疾患として直近の「緊急事態」宣言は2009年の豚インフルエンザだったが、結局、大規模な感染拡大には至らなかった。逆に14年のエボラ出血熱の場合は同宣言が遅過ぎたためアフリカ西部での大流行を招いたと非難された。

Threat Widens

Coronavirus has spread from China to at least seven other locations

Sources: National and municipal health authorities

原題:WHO Says Coronavirus Remains Local Chinese Emergency for Now
   China Says Coronavirus Death Toll Rises to 25 (1)、Seven China Cities Curb Travel to Prevent Spread of Coronavirus
(抜粋)

(中国発表の死者数などを追加して更新します.)
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