日本では、1952年4月28日のいわゆる「サンフランシスコ平和条約」の発効をもって主権回復と言われて来た。私は日頃は日付については政府の方針に賛意を表してなるべく元号を使うようにしている。
しかし所謂「サンフランシスコ平和条約」については昭和27年ではなく1952年と表示するようにしている。
理由はこの条約が国家間の対等な条約ではないからである。 この件で過去に何度も述べたが新しくアクセスしてくれる方が結構居るようなので、何度でも再説したいと思う。 大抵の人は所謂「サンフランシスコ平和条約」を読んだ事がないと思われる、或いは読んだ事があっても細かい点は忘れてしまっていると思われる。
日本の国家主権と国体に関心があり、議論される方は改めてお読みいただきたい。 さらには「日本国憲法」にも重大な誤解を殆どの日本国民にもたらしているからである。 原文と翻訳は外務省の公式サイトに掲載されている。 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/B-S38-P2-795_1.pdf (外務省公式サイト)
しかし読みにくい。知らせたくない観がありありに感じる。 その一方で、それを対訳にして非常に読みやすくしている親切なサイトがある。紹介したい。下記である。
「Treaty Of Peace With Japan / 日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)
http://www.chukai.ne.jp/~masago/sanfran.html 」
この条約で私が特に重要と考える点は次の4つ。
① まずはタイトルである。
タイトルは「Treaty Of Peace With Japan / 日本国との平和条約(サンフランシスコ平和条約)」と成っている。
この条約は日本国と連合諸国との間で結ばれた条約である。そうであるならば条約名は「日本国と連合諸国との間で結ばれた平和条約」でなければならない。日本国と連合諸国が順序が入れ替わっても良い。しかし所謂「サンフランシスコ平和条約」は正式名はそうなっていない。 外務省の掲載が読み難くしているのは国民に読ませたくない、「由らしむべし知らしむべからず」なのだろう。
これは何を意味するかと考えれば、直ぐ気付く。対等な条約ではないのである。
占領軍のGHQは役目を終えたことになっているが、日米安保によってGHQは衣替えをしたと言われている。
所謂「サンフランシスコ平和条約」、正しくは「日本国との平和条約」は今も活きている条約であり、そのそも対等な条約ではない。
② 日本の主権が回復しているのは「国土と領水」であって、「領空」は書いてない。つまり完全には主権が回復していない。
所謂「サンフランシスコ平和条約」、正しくは「日本国との平和条約」では1条(b)で国土と領海の主権回復は認めているが領空が認められていない。即ち今も日本の空は占領下であると言うこと。
「 (b) The Allied Powers recognize the full sovereignty of the Japanese people over Japan and its territorial waters. / 連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。」
領空の一部が解放されていても、つまり日本は今も連合諸国の占領下なのである。
③ 1条(b)で「 sovereignty / 主権」という言葉を使っている点。
(b) The Allied Powers recognize the full sovereignty of the Japanese people over Japan and its territorial waters. 連合国は、日本国及びその領水に対する日本国民の完全な主権を承認する。〉
この文言の意味はもう一つ重要な点があり、それは2条の施政権との対比である。
④ 2条(a~f)で「 all right, title and claim / すべての権利、権原及び請求権 」と言う事葉を使っている点。
これは1条との対比で重要で、1条と対になって読むべき文言である。 2条では、朝鮮、台湾、北方領土、南洋諸島、東支那海、南支那海などの施政権の放棄が書かれているが、それは「all right, title and claim 」であって 「sovereignty( the full sovereignty of the Japanese people) 」ではない。
つまり件の条約では主権と施政権を使い分けているのである。
と言う事は日本は朝鮮、台湾、北方領土、南洋諸島、東支那海、
南支那海などの諸地域の領土権を放棄していないと言う事である。 ハーグ陸戦条約では戦争当事国の一方が他方を占領した場合に占領地を自国領に組み入れる事は禁じている。
米国は占領地の日本列島の国土と領海の占領を解除し、続いて奄美、小笠原、沖縄の占領を解除している。米国は国際法を遵守している。このことは非常に重要な事。
台湾では米国は占領統治を中華民国亡命政府集団に代理をさせてしまった。そして手癖の悪い蒋介石は台湾人から日本国籍を剥奪し、中華民国亡命政府の国籍を強制的に付与してしまっている。彼は悪魔のような奴だ。そして蒋介石を引き継いでいる中華民国亡命政府集団も同様と言う事になる。
千島列島全島と南樺太を占領後に自国領土に組み入れたソ連、そしてロシアはロシア帝国が署名しているハーグ陸戦条約に確実に違反している。ソ連もロシアもロシア帝国を国家継承しているにもかかわらずにである。
ロシアの民度は支那、朝鮮並みと言う事になる。
ソ連、ロシアはドイツでもウクライナでも同様に領土を国際法に違反して強奪している。支那、朝鮮同様、ロシアにも甘い顔は禁物ということになる。
日本の国体について、日本国憲法について、日本政府の不可思議な経済政策についての謎がすべて「日本国との平和条約」に源を発していると言う事がおぼろげながら見えてくる。
それらを個別に議論しても「アベが悪い」と言う日本人同士の悪口の言い合いに陥ってしまう。 政治的関心の高い人は「日本国との平和条約」を読み直して欲しいものである。
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Chapter II / 第二章 Territory / 領域 Article 2 / 第二条
(a) Japan recognizing the independence of Korea, renounces all right, title and claim to Korea, including the islands of Quelpart, Port Hamilton and Dagelet. 日本国は、朝鮮の独立を承認して、済洲島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(b) Japan renounces all right, title and claim to Formosa and the Pescadores. 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(c) Japan renounces all right, title and claim to the Kurile Islands, and to that portion of Sakhalin and the islands adjacent to it over which Japan acquired sovereignty as a consequence of the Treaty of Portsmouth of 5 September 1905. 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。
(d) Japan renounces all right, title and claim in connection with the League of Nations Mandate System, and accepts the action of the United Nations Security Council of 2 April 1947, extending the trusteeship system to the Pacific Islands formerly under mandate to Japan. 日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保障理事会の行動を受諾する。
(e) Japan renounces all claim to any right or title to or interest in connection with any part of the Antarctic area, whether deriving from the activities of Japanese nationals or otherwise. 日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に関する利益についても、すべての請求権を放棄する。
(f) Japan renounces all right, title and claim to the Spratly Islands and to the Paracel Islands. 日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。〉
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