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新型ウイルス肺炎
新型ウイルス肺炎 中国で死者17人 患者571人 市民生活に影響
中国では新型のコロナウイルスによるとみられる肺炎の感染がさらに広がっていて、感染者は500人を超え、死亡した人は17人に上っています。最も状況が深刻な武漢では現地を離れる航空便や鉄道の運行が停止され、市民は日用品を買いだめするなど生活に影響が出始めています。
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コロナウイルスとは
コロナウイルスは、電子顕微鏡で見ると、太陽のまわりを「コロナ」というガスが取り巻いているような形をしているところから名付けられたウイルスで人や動物に感染します。
人に感染して、一般的に流行するものは4種類あるとされていて、国立感染症研究所によりますと、せきや発熱、鼻水などが出る、通常の「かぜ」のうち、流行期には35%がコロナウイルスによるものだとされています。
このほかに、感染すると重い肺炎を引き起こすなど、重症化しやすいコロナウイルスがこれまでに2種類確認されています。
▼2003年に中国やアジア各地を中心に感染が広がった新型肺炎、「SARS」(サーズ)を引き起こしたコロナウイルスと、▼2012年にサウジアラビアで最初に確認された、重い肺炎を引き起こす「MERS」(マーズ)のコロナウイルスです。
今回、確認されたコロナウイルスはこれまでに見つかっているコロナウイルスとは異なるため、WHO=世界保健機関は「新型」だとして、中国の保健当局からのデータをもとに患者の症状やウイルスの性質を分析し、リスクの評価を進めています。
これまでに、ウイルスの遺伝子の型はSARSのウイルスと似ている点が多いことが分かっており、専門家は、現時点ではSARSより感染力や病原性は低いとみられるものの、今後、ヒトからヒトへ感染しやすいよう遺伝子が変化しないか監視する必要があると指摘しています。
「SARS」とは
2003年に中国やアジア各地を中心に感染が広がった新型肺炎、「SARS」は、当時は知られていなかったコロナウイルスによって引き起こされました。
SARSのコロナウイルスは、コウモリが持つウイルスがハクビシンにうつったあと、人に感染するようになったと考えられています。
SARSは2002年の11月に中国南部の広東省で最初の患者が確認されましたが、中国の保健当局がWHOに報告したのは3か月近くたった翌年、2003年の2月で、この時点で305人が発症し、このうち5人が死亡していたとされています。
その後、2003年3月には旅行者を通じて広がったウイルスによってベトナムや香港の病院で院内感染が起きるなど、感染は拡大し、WHOはSARS=「重症急性呼吸器症候群」と名付けたうえで、「世界規模の健康上の脅威」と位置づけるに至りました。
2003年4月になると、WHOは広東省と香港に対する渡航の延期を勧告するという強い措置に踏み切りましたが、WHOの当時の担当者はこうした措置の背景について感染者の増加に加え、「中国側が肺炎についての情報を提供しなかったことも背景にあった」と述べています。
SARSのウイルスが特定されたのは2003年4月で、患者を隔離するなどの対応がとられた結果、WHOは2003年7月に「終息」を宣言しました。
WHOの報告によりますと、この間、症状が出た人は中国やアジア各地、カナダなどで合わせて8000人以上、最終的に800人近くが死亡し、致死率はおよそ10%に上るとされています。
SARSへの対応をめぐっては、当初、中国政府がWHOや各国の感染症担当者と情報を十分に共有しなかったことが感染拡大や対策の遅れにつながったと指摘されています。
国立感染症研究所によりますと、SARSはせきや飛まつを介してヒトからヒトに感染し、医療従事者への感染が頻繁にみられたほか、死亡した人の多くは、心臓病や糖尿病などの持病がある人や高齢者だったということです。ただ、理由はよく分かっていませんが、2005年以降、人への感染は確認されていないということです。
「MERS」とは
2012年にサウジアラビアで最初に確認された、重い肺炎を引き起こす「MERS」のコロナウイルスは、ヒトコブラクダが持つウイルスが広がったのではないかと考えられており、中東を中心に、韓国でも感染が広がりました。
WHOによりますと、現在も中東を中心に患者の報告があり、去年11月末の時点でおよそ2500人が感染し、そのうち少なくとも850人が死亡したとされ、致死率は30%あまりとされています。
一方で、国立感染症研究所によりますと、サウジアラビアで行われたおよそ1万人を対象にした大規模な調査では、0.15%の人がMERSの抗体を持っていたとされ、気づかないうちにMERSのコロナウイルスに、感染している人もいると見られています。
感染者は、これまでに分かっている以外にも数万人いるものとされ、高齢者や持病のある人が重症化しやすいと考えられるということです。
WHOによる過去の「緊急事態宣言」
WHO=世界保健機関の「緊急事態」は、2003年に中国やアジア各地を中心に広がった新型肺炎「SARS」での対応を踏まえて、2005年に改正された「国際保健規則」に基づいて宣言されます。
「緊急事態」は、▼病気が国際的に拡大し、ほかの国に公衆衛生上の危険をもたらすとみられ、▼緊急に国際的な対策の調整が求められるときに、WHOのトップ、事務局長が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」として宣言することになっています。
これまでに「緊急事態」が宣言されたのは、
▼2009年4月に、当時、新型とされたインフルエンザが世界的に拡大したとき、
▼2014年5月に、手足のまひなどを引き起こす、ポリオへの感染者がパキスタンやシリアなどアジアやアフリカ諸国で増えたとき、
▼2014年8月に、致死率が高いエボラ出血熱が西アフリカのリベリアなどで広がったとき、
▼2016年2月に、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんに小頭症などの障害が出るジカ熱がブラジルなど中南米で拡大したとき、
それに、▼去年(2019)7月に、エボラ出血熱がアフリカ中部のコンゴ民主共和国やウガンダで広がったときの5回あります。
緊急事態宣言が出されると、WHOは加盟国に対し、事務局長が勧告を出すことになっています。
勧告は、感染の拡大を防ぐことや、人やモノの移動について不必要な制限をしないという観点も考慮して出されます。
これに基づいて、各国は対応を取ることになっていて、たとえば去年、エボラ出血熱に関して緊急事態宣言が出されたとき、厚生労働省は、病気が発生している国に行く際には発生地域には近づかず、患者への接触を避けるなどといった行動を呼びかけるとともに、帰国時の検疫への協力を呼びかけました。
武漢は人口1000万人超 交通・物流の要衝地
武漢は人口はおよそ1100万人、中国内陸部・湖北省の最大都市です。市内を中国最長の川、長江が流れているほか、中国の東西南北を結ぶ高速鉄道や高速道路が交差し、交通や物流の要衝となっています。武漢は中国有数の自動車産業やハイテク産業の集積地で、市内にある空港は中国各地のほか、日本をはじめ、アジアや欧米の都市とを結ぶ直行便が就航しています。
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