62枚Tポイントカード使い回し2200回以上宿泊無断キャンセル 不正ポイント取得で母子逮捕
22日に逮捕された親子。
ホテルを予約しては、無断キャンセル。
その数、2,215件。
目的は、不正にポイントを得ることだった。
高級ブランド品とみられるスーツケースとボストンバッグを手にした男とピンク色のコートを着こなす女。
22日に逮捕された、住所不定の岸田治子容疑者(51)と息子の治博容疑者(30)。
2人は2019年、宿泊予約サイト「一休.com」で予約した複数のホテルで、無断キャンセルを繰り返し、業務を妨害するなどした疑いが持たれている。
無断キャンセルの目的は「ポイントの不正取得」。
「一休.com」でホテルを予約すると、料金の1%から最大20%のポイントがつく。
2人は、このポイントを目当てに、予約を繰り返していたとみられる。
しかし、なぜ、キャンセルをしているにもかかわらず、ポイントを受け取ることができたのか。
その理由は、ポイントサービスの仕組みにあった。
宿泊予約サイトでは、宿泊を無断でキャンセルした場合、ホテル側が予約サイトに連絡をして、ポイントを取り消すことになっている。
しかし、ホテル側がこの処理をしないと、ポイントは取り消されずに受け取れるという。
こうした、「連絡忘れ」を狙って、繰り返し犯行に及んだとみられる2人。
2人は、獲得するポイントが高いホテルなどを意図的に狙って、宿泊予約を繰り返していた。
2人が犯行に使っていたのが、「Tポイントカード」。
不正が発覚しないように、2人は62枚ものTポイントカードを作り、複数のIDを使い分けていた。
そして、全国のホテルで2,200回以上、8,000万円を超える宿泊予約を無断キャンセル。
このうち、予約サイトに連絡がいかなかった、およそ200万円相当のポイントを不正に得ていたとみられている。
2人は、不正ポイントを使ってホテル暮らしをしていた。
では、今回の不正に渡った200万円相当のポイントは、誰の負担になるのだろうか。
「一休.com」は、取材に対し「一休側が負担するポイント分は1%で、それ以外のポイント分はホテル側が負担する」としたうえで、「再発防止に向け、改善を図る」と回答。
ポイントサービスにくわしい専門家の株式会社エムズコミュニケイト・山根浩也さんは、「各社によって不正に対する臨み方が違うので、一概には言えないですけど、原理的には、(ほかのサイトでも)起こりうるものだと思います」と話した。
警察の調べに対し、治子容疑者は容疑を否認。
息子の治博容疑者は、「母親と一緒に偽名を使い、宿泊予約をしたことに間違いありません」と容疑を認めている。
(関西テレビ)