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2020年1月22日 Debianプロジェクトがポリシーを改訂,"systemdオルタナティブ"を容認へ

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DebianプロジェクトのSean Whittonは1月20日,Debian開発者メーリングリストに「Debian Policy 4.5.0.0 released」と題したポストを投稿,Debianの新しいポリシーとして,systemd以外の起動プロセスのパッケージングを条件付きで認める方針を示した。

Debian Policy 4.5.0.0 released -debian-devel-announce
Debian Policy Manual

今回の改訂で変更された部分は9.2.1,9.3.1,9.3.2および9.3.3で,改定内容は以下となる。なお,"望ましい(encouragement)"は"推奨(recommendation)"よりも弱い表現とされている。

9.2.1
メンテナーが新しくハードコードされた,もしくは動的に生成されたユーザネームをパッケージに使う場合,そのユーザネームはアンダースコアから始めるべきである。
9.3.1
システムサービスを含むパッケージは,それらのサービスを開始または終了させるために"systemd"サービスユニットを含めるべきである。
systemdユニットがなく,オプションとして任意のinitスクリプトがある場合は,そのinitスクリプトを含むことが望ましい(以前は推奨⁠⁠。
任意のパッケージが任意のシングルシステムサービスを含む一般的なケースの場合,そのサービスユニットはパッケージ名に拡張子".service"を付けたものと同じ名前であるべきである。もしinitスクリプトが含まれるのであれば,それはsystemdユニットと同じ名前であるべきである。
9.3.2
initスクリプトは引数"status"をサポートすることが望ましい(以前は推奨⁠⁠。
9.3.3
パッケージがinitスクリプトを含むのであれば,update-rc.dの利用が要求される(以前のポリシーではある場合は要求,別の場合では推奨⁠⁠。

基本的には従来どおりsystemdにフォーカスしたパッケージング方針ではあるが,systemd以外のinitスクリプトを含めることも認めている。

Debianプロジェクトではここ数カ月ほど,systemdフリーな起動システムをサポートするべきかどうかの議論が続いていたが,2019年12月27日に「Systemd but we support exploring alternatives.(基本はsystemdだがオルタナティブを視野に入れることもサポートする⁠⁠」という案が可決され,今回のポリシーアップデートにつながっている。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。