被害に遭った女子高生(18)は勇気を振り絞り、通勤通学客で混み合う電車内で大声を上げ、周囲に助けを求めた。
17日午後5時50分~6時ごろ、小田急電鉄の車内で神奈川県厚木市に住む高校3年生の女子生徒の下着に手を入れたとして、東京大学農学部4年の宮下岳容疑者(22=東京都北区)が強制わいせつの疑いで、神奈川県警多摩署に逮捕された。
宮下容疑者はまずターゲットを物色。好みの女子高生を見つけると背後にピタッと張り付き、スカートの中に手を忍ばせ、パンティーの中に指を突っ込んで陰部を触った。
女子高生が被害を訴えたその瞬間、宮下容疑者が慌ててスカートの中から手を抜くのを、正面に立っていた男性会社員(47)が目撃。宮下容疑者は登戸駅で電車から降り、脱兎のごとく逃走したため、男性会社員が「捕まえて」と、周囲に協力を求めた。たまたま車内に居合わせた帰宅途中の警視庁の男性警察官(28)が改札の外まで追いかけ、その場で宮下容疑者を取り押さえた。警察官は宮下容疑者を交番まで連れて行き、神奈川県警の署員に引き渡した。
宮下容疑者は調べに対し、「痴漢する相手を探していた。パンツの上から触った。下着の中には手を入れていない」と、容疑を一部否認しているという。
本人のものとみられるSNSなどによると、宮下容疑者は北海道出身で、東大では農業資源経済学を専攻し、研究内容は「南アルプス市における農業労働力の確保」。アカペラサークルに所属している。海外ボランティアやNPO法人主催の実践型インターンなどを経て、世界的に著しい成長を遂げる医療関連IT企業に内定。好きな言葉は「Agape」(真の愛)で、近代日本経済の父「渋沢栄一」に憧れ、ビジネスを通じた社会貢献を志しているそうだ。