飛ぶ鳥を落とす勢いは、どこへ行ってしまったのか。わずか3ヵ月で一気に失速した理由は明白だ。男の嫉妬の感情はかくも凄まじいものである事実を、さしもの名官房長官も忘れてしまっていたのだ。
規則的で単調なことで有名な内閣官房長官・菅義偉のスケジュールが乱れ始めたのは昨年10月に入ってからのことだ。
「官房長官とは定期的に夜の懇親会をやっていたんですが、突然のドタキャンが続き、日程が出ない」(財閥系企業幹部)
融通無碍の人脈で知られる菅は、「朝昼1回、夜2回」の会合を開き、情報収集を怠らないことで知られる。出席者は、若手官僚から大物政治家、政治記者にIT社長まで幅広い。それが狂い始めたのには理由があった。
端的にいえば、菅は「上司」である安倍晋三に嫌がらせをされていた。
「10月に入り、安倍総理は副大臣や予算委員長といった議員たちと、不要ともいえる会食を連日、公邸で続けたのですが、そこに毎回、菅さんを同席させたのです。菅さんに『夜の会合』を入れさせないためだったのは明白です」(政治部デスク)
安倍はこの時期、菅の動きを封じておく必要があった。その理由は、後に明らかになる。