トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 記事一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

「炎鵬のタオルだらけだったけど…」大関貴景勝“敵地ムード”も何のその、格の違い見せつけ「完封」勝利

2020年1月21日 19時46分

貴景勝(左)が押し出しで炎鵬を下す

写真

◇大相撲初場所10日目(21日・両国国技館)

 大関貴景勝(23)=千賀ノ浦=が初顔の炎鵬を押し出して2敗を守り、勝ち越しを決めた。西前頭17枚目の徳勝龍(33)=木瀬=は千代丸を突き落とし、1敗を守った。西前頭4枚目の正代(28)=時津風=は松鳳山を寄り切り、1敗でトップを並走。

 フィーバー真っただ中の相手のしこ名入りタオルが揺れ、番狂わせを期待する館内の空気の中でも、貴景勝は表情をまったく変えなかった。真っ向から圧力を掛け、初顔合わせの炎鵬得意の懐へ潜る動きも横への回り込みも完封。最後は押し出して土俵下まで吹っ飛ばし、格の違いを見せる8勝目だった。

 「自分が変えることで、自分の武器を失ってしまう。彼に限って(攻めの)ポイントを意識したとかはない。炎鵬のタオルだらけだったけど、それをパワーにするのも精神的なもの」

 9日目に豪栄道を撃破して大関初挑戦初勝利を成し遂げた小兵と向き合っても、突き押しにこだわった。“敵地ムード”も何のその。心身の充実ぶりが際立った。

 大歓声を受けた相手へ、エールも忘れなかった。「頭を使って自分と向き合わないと、あの体でこの番付まで上がれない。負けても肌で感じる部分があると思う。俺も小さいから、気持ちでは負けない」ときっぱり。何度でも壁になる覚悟だ。

 勝ち越しは通過点。「そのレベルの話をしちゃうと、8勝しか勝てない。現状維持で向上心ゼロ。高い意識を持ってやれば、精神的な伸びしろになる」と、視線はあくまで賜杯に向ける。

 先頭を星の差1つで追う立場で「2敗してしまった弱さを認め、それでもあきらめず頑張っていく。挑戦者として集中すれば力も出やすい」。無心で終盤戦に突入する。

 

この記事を印刷する

PR情報

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ