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【大相撲】

史上初の再入幕力士Vへ「花のロクイチ組」徳勝龍1敗キープ 優勝争いは「全然っす」と照れ笑い

2020年1月21日 20時19分

千代丸(左)を攻める徳勝龍

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◇大相撲初場所10日目(21日・両国国技館)徳勝龍○突き落とし●千代丸

 188キロとは思えない軽やかな身のこなし。徳勝龍は土俵際で瞬時に右へ回り込み、194キロの千代丸を右からの一撃で突き落とした。幕内で勝ったことがない相手を破り、1敗を死守。「勝っていくと気分がいいです。いい緊張感」と充実感に包まれている。

 10日目を終え、平幕2人がトップに立つのは1972年名古屋場所の豊山と高見山以来、48年ぶり。それでも、優勝争いの話題になると「全然っすよ。一番下(幕尻)なんで」と照れくさそうに全力で否定した。

 そんな徳勝龍ではあるが、周囲のエールを聞いたら発奮せずにはいられないだろう。昭和61年生まれ。角界で「花のロクイチ組」と呼ばれている。稀勢の里をはじめ豪栄道、妙義龍、栃煌山、勢…。人気、実力とも兼ね備えた力士がそろう。

 引退から1年がたった荒磯親方(元横綱稀勢の里)は、徳勝龍に期待をかける1人だ。「自分の体重を最大限に生かしている。あの体重で動きもいい。いいステップを踏んでる」と分析。33歳という年齢に関しても「年になると力の使い方が分かってくる。僕も30歳になって、そういうのが分かってきて横綱に上がった。脳で考えたことと動きが一致してくる」と、むしろプラスだという考えを示す。

 18日に母校・近大相撲部の伊東勝人監督が急死した。この日が通夜。場所中で出席はできなかったが「監督から『勝』の一文字をもらっている。変な相撲を取ったら笑われる。監督の分までとか偉そうなことは言えないけど、どこかで見てくれていると思います」と、恩師の存在は今も大きな支えとなっている。

 これまで幕尻優勝はあっても、再入幕力士の優勝はない。「花のロクイチ組」では目立たない存在ではあるが、師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)は「コツコツと努力を重ねている。だから注目される力士になってほしい」と背中を押す。多くの願いを乗せ、歴史に残る快挙へ向かう。

 

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