第92回センバツ高校野球大会(3月19日から13日間・甲子園)の出場校が、24日の選考委員会で決まる。一般選考(明治神宮大会枠1校を含む)の29校と「21世紀枠」の3校の計32校が選出される。
昨秋の石川県大会、北信越大会を圧倒的な力で制し、一般選考での出場が確実視されている星稜。正式に決まれば、1981年春から83年春に並ぶ、同校最長タイの5季連続甲子園出場になる。
昨夏の甲子園で準優勝するなど、前チームを引っ張ったヤクルトのドラフト1位、奥川恭伸のような絶対的なエースはいない。だが、荻原吟哉、寺西成騎(ともに2年)の両右腕が、センバツを見据えて切磋琢磨(せっさたくま)を続けている。
奥川のエースナンバーを引き継いだのは、昨夏の甲子園で2度の先発を経験した荻原。直球の最速は141キロと驚くようなスピードはないが、変化球とのコンビネーションで打ち取る。投球のテンポもいい。昨秋は5試合に先発し、エースの役割を果たした。「奥川さんが抜けた後のエースでプレッシャーを感じるけど、はね返す気持ちで投げないといけない」と自覚は十分だ。
一方の寺西は186センチの長身から、最速146キロのストレートを投げ込む。昨秋は右肩痛で本調子ではなかったが、今月末には本格的な投球を再開する計画だ。背番号10ながら、プロのスカウトからも熱視線を浴びる快腕は「フォームを固めて、どんな形でもいいからチームに貢献したい」と意気込んでいる。
そんな2人を頼もしく見つめる林和成監督(44)は「2人で(奥川の)1人分をカバーできる」と分析する。「力はないけど、何か楽しみなチーム」ともに話した。出場が決まれば、昨夏逃した日本一に、ダブルエースととも再挑戦することになる。