この記事はプロダクト マネージャー、PJ McLachlan による Chromium Blog の記事 "Introducing quieter permission UI for notifications" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。


ウェブの通知機能を使うと、ユーザーがウェブサイトを開かなくても、重要なアップデートを受け取ることができます。メッセージング、カレンダー、メール クライアント、ライドシェア、ソーシャル メディア、配送サービスなど、通知はさまざまなアプリケーションにとって欠かせない機能です。

多くのウェブサイトは、ユーザーの状況を踏まえた適切なタイミングではなく、初めてアクセスした際に通知許可をリクエストしています。そのため、残念なことに、通知は不満の種にもなっています。一方的な許可のリクエストをすると、ユーザーのワークフローが中断され、結果的にユーザー エクスペリエンスが損なわれます。

ユーザーにとって便利なサービスとしての通知機能を保護するため、Chrome 80 から特定の条件において、ユーザーの操作を遮りにくく、邪魔にならない新しい通知許可 UI を表示してリクエストをするようになります。Chrome 80 がリリースされると、ユーザーは [設定] から手動で新しい UI をオプトインできるようになります。さらに、この邪魔にならない UI は、以下の 2 つの条件に当てはまるユーザーに対して自動的に有効化されます。1 つ目は、通知許可リクエストをブロックすることが多いユーザー、2 つ目はオプトインされる率が非常に低いサイトです。この自動有効化機能はリリース後に徐々に有効化され、ユーザーやデベロッパーからのフィードバックも集めます。

2020 年のうちに、ウェブ通知を広告、マルウェア、詐欺などに使っている悪意のあるウェブサイトに対し、追加の制限を課すことを計画しています。この点については、今後のブログ投稿で詳しく説明します。


邪魔にならない UI の概要

邪魔にならない UI(PC およびモバイル)


邪魔にならない UI は、PC とモバイルの両方で利用できます。この UI が初めてユーザーに表示されるときは、新機能について説明するプロダクト内ヘルプ ダイアログ(いつでも閉じることができます)も表示されます。

有効化とオプトアウト

ユーザーは、邪魔にならない UI を 3 つの方法で有効化できます。

手動での有効化(とオプトアウト)

PC またはモバイルで通知設定から手動で有効化


ユーザーは、邪魔にならないプロンプトを手動で有効化できます。また、完全に無効化することもできます。有効化するには、[設定] > [サイトの設定] > [通知] で [通知を送信するかどうかの確認をサイトに許可する] トグルをオンにしてから、[静かな方法で通知する(割り込み通知を行わない)] チェックボックスにチェックを入れる必要があります。

ほとんど通知を受け入れないユーザーに対する自動有効化

さまざまなウェブサイトで繰り返し通知を拒否したユーザーに対しては、邪魔にならない通知 UI が自動的に有効化されます。

許可の受け入れ率が低いサイトでの自動有効化

許可の受け入れ率が非常に低いサイトでは、邪魔にならないプロンプトが自動的に有効化されます。ユーザー エクスペリエンスが改善されると、自動的に有効化が解除されます。サイトごとの通知許可受け入れ率に関する情報は、2020 年第 1 四半期の Chrome ユーザーエクスペリエンス レポートから入手できるようになる予定です。

デベロッパーの推奨事項

まず、ウェブ デベロッパーの皆さんには、chrome://settings/content/notifications から邪魔にならない通知許可 UI を手動で有効化し、この UI によるサイトの許可リクエスト フローをテストすることをお勧めします。記事の執筆時点で、この機能は Canary、Dev、Beta の各チャンネルに徐々にロールアウトされており、Chrome 80 以降では chrome://flags/#quiet-notification-prompts から強制的に有効化できるようになります。

次に、ユーザーに通知許可をリクエストする際のベスト プラクティスに従うことをお勧めします。多くの場合、初回アクセス時にウェブ通知への登録をリクエストするウェブサイトでは、受け入れ率がとても低くなります。そうする代わりに、ユーザーが状況を理解して通知を受け取るメリットを認識するまで待ってから、許可プロンプトを表示することをお勧めします。ウェブサイトによっては、ネイティブの許可プロンプトを表示する前に、コンテンツ エリアに事前にプロンプトが表示されています。ユーザーの操作が妨げられる場合、このアプローチも推奨できません。状況に応じて適切なタイミングで許可をリクエストするサイトは、直帰率が低く、コンバージョン率が高くなります。

ユーザー許可の UX を改善したい方は、こちらの 5 分の動画をご覧ください。ユーザー許可受け入れ率の改善について説明しています。また、許可をリクエストする際のベスト プラクティスもお読みください。

Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team