人の迷惑考えない? 低速走行「10キロおじさん」何が問題か 10年続けた「逆あおり運転」行為とは

ノロノロ運転で周囲のクルマに迷惑をかける低速走行車は、高速道路などでは最低速度違反の取り締まり対象となりますが、一般道では対象になりません。道路交通法第27条「追いつかれた車両の義務」の対象となるようですが、どういうことなのでしょうか。

後続車はイライラ! おじさんの後ろには長い車列ができることも

 ニュース番組で報道されたこともあり、10年間という長きに渡って時速10km前後でノロノロ走り続ける「10キロおじさん」が話題です。

 一般道では最低速度違反で取り締まることはできませんが、じつはあまり知られていない「追いつかれた車両の義務違反」によって取り締まり対象となるようです。

低速すぎる走行は後続車をイライラさせる「逆あおり運転」(イメージ)
低速すぎる走行は後続車をイライラさせる「逆あおり運転」(イメージ)

 10キロおじさんとは、神奈川県清川村周辺の道路で、約10年間にわたって「ノロノロ運転」を続けている男性のことです。

 ノロノロ運転の速度は5km/hから10km/hと、歩くスピードから徐行程度というかなりの低速。片側一車線の追い越し禁止道路では、十数台もの後続車が連なることもあり、周囲は長年、大迷惑しているとのことです。

 後続車がトラックやバス、ダンプカーでもお構いなく同様の行為をおこない、さらに、後続車が追い抜こうとするとクラクションを激しく鳴らして威嚇することもあるといいます。

 静かな山間部の道路ということもあって、クルマを運転しない住民の間でも、さぞかし不快な騒音になっていることでしょう。

 また、山間部の道路ゆえ見通しの悪いカーブが多いですが、10キロおじさんはカーブの先に停止したり、または停止に近いスピードで走行していることもあるそうです。

 カーブを抜けた先にほぼ停車状態のクルマがいたら、追突事故が起こる可能性も十分にあるでしょう。ノロノロ運転は、事故を誘発する危険な行為といえます。

 これが高速道路や自動車専用道路であれば、「最低速度違反」(高速道路では時速50km、首都高速などの都市高速では30km/hに設定されていることが多い)として取り締まりの対象になりますが、一般道路では対象となりません。

 進路を妨害するように走るノロノロ運転を取り締まることはできないのでしょうか?

 警察交通相談ダイヤルに聞いてみたところ、次のような回答がありました。

「この事例は『逆あおり』ともいえる悪質な行為です。

 一般道路には最低速度は設定されていないので、最低速度違反で取り締まることはできませんが、道路交通法第27条『追いつかれた車両の義務』での取り締まりは可能です。

 歩くような遅いスピードで延々と走ることは交通の円滑な流れを妨げるもので、後続車にも大迷惑です」

※ ※ ※

 道交法第27条に「追いつかれた車両の義務」という規則があります。あまり聞いたことがないかもしれませんが、かなりユニークな規則です。

 後続車の進路をふさぐようにノロノロ走り、左に寄るスペースがあるのに進路を譲らず走り続けることは、追いつかれた車両の義務違反として取り締まり対象となるようです。

 では、そこが追い越し禁止の道路だったらどうでしょうか。

「追い越し禁止の道路では、たとえ前に遅い車がいても追い越しをすることはできません。

 一方、ノロノロ走るクルマが一時停止をしていれば、それは障害物と見なされ、バス停に停まっているバスなどと同様に、追い越すことは違反にはなりません」(警察交通相談ダイヤル)

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コメント

3件のコメント

  1. でっこの迷惑者はどうなったのか、調べたの?そこが知りたい。

  2. 家の近くにも似たようなお年寄りの方が、存在しますよ、時期を見て追い越して行っちゃいます。追い越し禁止ラインがある時は、ちょっと小さくクラクションを鳴らして、追い越します。パトカーがいないのを確認をしてから

  3. 第27条(他の車両に追いつかれた車両の義務)について

    https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200122-00218185-kurumans-bus_a…

    『つまり、30km/h制限の道路を30km/hで走っていても、後ろから法定速度60km/hの自動車が追い付いてきたら、「追いつかれた車両の義務」が発生することになります。』

    という記載がありますが、これは嘘ですよね?

    第27条には、『最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。』と記載されています。

    最高速度が30kmと定められた車両が30kmで走行しているときで、60kmの自動車に追いつかれた時点でその車両はそもそも速度違反しているので、話になりません。「追いつかれた車両の義務」は発生しません。

    最高速度が30kmと定められた車両が30kmで走行しているときで、31kmの自動車に追いつかれた時点でその車両はそもそも速度違反しているので、話になりません。「追いつかれた車両の義務」は発生しません。

    最高速度が30kmと定められた車両が29kmで走行しているときで、30kmの自動車に追いつかれたら、「追いつかれた車両の義務」が発生します。

    最高速度が30kmと定められた原チャが30kmで走行しているときで、最高速度が40kmと定められ35kmで走行している自動車に追いつかれたら、「追いつかれた車両の義務」が発生します。最高速度がそもそも違うからです。

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