福井県池田町立池田中2年の男子生徒(当時14)が2017年3月に自殺した問題で、業務上過失致死容疑で告発された当時の担任を不起訴とした福井地検の処分について、福井検察審査会が「不起訴不当」と議決したことが20日、分かった。同様に告発され不起訴となった副担任と校長については「不起訴相当」とした。いずれも15日付。
生徒は17年3月14日朝、同校の校舎から飛び降り自殺した。町の調査委員会が同10月「担任らの厳しい指導、叱責が原因」とする報告書を公表、同12月に市民団体が元担任らを告発した。地検が19年2月に不起訴とし、団体が検審に審査を申し立てていた。
議決では、担任らの生徒理解や学校の組織的対応の不十分さが認められると指摘。担任による生徒への叱責は「相当の精神的苦痛を伴う」とし、他の教員や関係者、遺族から追加で事情聴取した上で、自殺を予見できたかどうかなどを判断すべきだとした。
副担任と校長は「予見可能性があったとは認められない」としたが、告発状で「担任らの指導が行き過ぎないように監督する注意義務を怠った」とされた校長については「自殺した生徒に関し、積極的に情報収集に努めていなかった点は反省すべきだ」と指摘した。
〔共同〕
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