女性の「声なき声」の影響力

 イランの世論は2つに割れている。西欧化を拒否した保守派男性はイスラム国家を目指しているが、おそらく女性を中心とした「声なき声」は、より宗教色の薄い平和な国家を望んでいる。その中でも、1人しか男の子を持たない母親は真剣に平和を望んでいるはずだ。

 イランの指導者もそのような女性の「声なき声」を無視することはできない。指導者たちはイラン革命以来の経緯があるために対米強硬策を叫ばざるを得ないが、本当に戦争を始めてしまったら女性を中心とした世論がついてこないことを知っている。だから報復するにしても、事前に通告して米兵の人的被害を抑えるなどの行動に出たものと思われる。米国の情報機関はこの辺りを読んで、司令官の殺害を実行した。

 ソレイマニ氏が有能な軍人であったと評価されるのは、テロを組織する能力が高かったからである。その人物を殺害したのだから、米国はより安全になった。トランプ大統領を気まぐれ屋と言うマスコミは現実をよく見ていない。

 世間で言われているように、今回の事件によって中東がますます混乱することない。トランプ大統領は有能な司令官を殺害することによってテロの脅威を低下させることに成功した。イランの指導部は次の一手に困っているはずだ。