習近平政権の誕生から約5年を経て、2017年には治安維持費が約1兆2400億元(日本円で約20兆8800億円)に達した。加々美氏は「その膨大な資金は主に監視カメラの設置に投入されている」と指摘する。
“香港デモ”が中国各地で勃発する日
なぜ中国政府はこんなにカメラを設置して監視を強化しているのだろうか。加々美氏によると、大きなきっかけはウイグル対策だったという。
加えて、一般市民の社会への不満が高まっていることも見逃せない。
香港では昨年以来、デモ隊が暴徒化し、一部店舗が破壊され、交通機関を麻痺させるなど、街全体が非常事態に陥った。市民がこれほどデモを繰り返す根底には、経済格差への怒りがある。大陸から来た中国人が“いいとこ取り”をする一方で、香港人が割を食い経済的な困窮に追い込まれたことに端を発しているといっても過言ではない。
英国から中国に返還された香港は、次第に格差が広がり、貧困が固定化するようになった。筆者も年明けに香港を訪れたが、路上で物乞いをする一般市民をいたるところで目撃した。街は明らかに以前よりも荒廃していた。
この構図は大陸にも当てはまる。共産党幹部が“いいとこ取り”をし、不景気の中で市民が明るい未来を見出せなくなったとき、“香港の大暴れ”が中国各地で勃発する可能性は大いに考えられる。
中国人女性と結婚したある日本人男性が、苦笑しながらこんな話をしていた。「嫁の母親は、とにかくお金が大好きなんです。朝から晩までカネカネカネと、口を開けばお金の話ばかりなんですよ」。拝金主義が横行する中国で、お金への執着を見せるのはこの女性に限ったことではない。上海を走る地下鉄の乗客の会話に耳を傾けると、実におカネの話ばかりだ。それだけにこの日本人男性は警戒する。「お金の流れが悪化したら、中国人は黙ってはいないでしょう」。













