まだ多い「就活生をだまして入社させる」手口

「入社さえさせれば」と考える企業はまだ多い

内実はブラック企業でも、「見せ方」で就活生に上手にアピールする企業が少なくない (写真:U-taka/PIXTA)

これから、冬のインターンシップや合同説明会、採用セミナーの開催が本格化する時期だと思います。そうした場所では、多くの企業が力を入れたプレゼンを展開すると思いますが、その内容や印象を鵜呑みにすると、早期離職につながるような「ミスマッチ就職」の大きな要因となります。

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企業は学生に少しでも興味を持ってもらおうと、とにかく学生受けがよさそうなことをプレゼンの中に盛り込みます。その裏にある学生受けの悪い事実は伏せたまま選考を進める企業も少なくありません。

しかし、学生がその都合の悪い事実を知ろうと思っても、知るすべがなかなか無いのが現実です。実際は入社してみないとわからないことばかり。とはいえ、ただ諦めて何もしないよりは、少しでも企業にだまされないように注意したほうが、ミスマッチのリスクを減らすことができます。

魅力の仕事ばかり伝えて「不都合な真実」を隠す

まず、企業はどんな手法で学生をだましているのでしょうか。

よくあるのは、学生にとって魅力のある仕事ばかりを説明することです。入社してからは、現場の泥くさい仕事ばかりが中心なのに、説明する仕事内容は華やかに見える本社・本部での企画仕事やマーケティング、商品開発、販売促進、宣伝広報などというケースが少なくありません。学生が憧れやすい仕事だけ説明をし、将来的にそこで活躍できる可能性があることを意図的に見せます。

でも実際は、将来その仕事につける可能性は非常に少ないという事実はひた隠しにします。どれくらいの可能性があるかを聞いたとしても、「それは本人の努力や適正次第なので、なんとも言えません」と、やんわりはぐらかしたりします。

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  • 天そばad4cdda6f055
    だまして入社させるのが「まだ多い」だって?ウソおっしゃい、どこもそうだよ。
    up92
    down2
    2020/1/21 08:56
  • ひろくん19ec1b4999b7
    合衆国に住んでいるが、こう言うのは当地ではありえない。

    当地では新卒でも採用は欠員や新規需要のポジションを直属の上司となるべき人が職務の詳細を記して募集する。採用事務者の電話面接の「これこれこう言う仕事だが興味・スキル・経験はあるか?」で始まり、本面接は将来の同僚・上司が行う。人事部門は就労資格・犯罪歴のチェックや給与など事務作業に終始。採用通知には勤務地、報酬額などに加えて直属上司名と被採用者の肩書が添えられる。

    小生の記憶する日本の新卒採用システムでは先ず人事部門が頭数を揃え「大卒」「高卒」「技術職」程度の仕分けで「研修」を通じてジェネラリスト=社畜を畜養し、需要と「適正」に合わせてあちこちに「配属」するから、応募時どころか入社時にも具体的な仕事内容は不明。

    流動的雇用と終身雇用の文化の違いはどちらが好い悪いではないが、記事のような弊害や転職希望時に「部長ならできます」もある。
    up79
    down4
    2020/1/21 07:46
  • 鉄山皇ceb10c87bc8e

    「入れてしまえばどうにかなる」のは本当だから仕方ない。
    転職でも面接で良いこと言って「入ってしまえばどうにかなる」ことも多いんだし。

    正直学生の時点で「この会社はこういうポイントが怪しいぞ」と見抜けるのはよほど優秀な人だけ。世の中そんなに優秀な人材ばかりじゃない。
    とりあえず「なんでも任せる」のは疑ったほうがいいかな。しっかりと決裁権を持たせるような会社はそこの説明をきちんとしてくれるだろうし、そうじゃない場合は「任せるのは雑務だけで失敗の責任はきっちり負わせる」パターンだと思うから
    up59
    down1
    2020/1/21 09:31
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