沖縄キャンプ中のFC東京は20日、糸満市西崎運動公園陸上競技場で仙台と練習試合(45分×2本)を行い、1-1で引き分けた。新戦力の台頭によって定位置争いは熾烈(しれつ)となる中で、今年で30歳を迎えるMF三田啓貴(29)が存在感を放った。
前半16分、「前に前に行こうと思っていた」という三田が、狙い通りのエネルギッシュなプレーで観客を沸かせた。味方と連動したプレスで敵陣でボールを奪い取ると、そのまま一気に持ち運んで得意の左足を振った。コントロールされたシュートはゴール右隅に突き刺さり、東京が先制点を挙げた。惜しくも運動量の落ちた後半に追いつかれたが、新たに取り組んできた新システムの良さも垣間見えた一戦となった。
この日はマッシモトーキョー時代や、神戸でも経験した4-3-3の右MFに入った。「その経験を踏まえて周りの選手にも伝えられることは話している」と言う。
経年劣化を感じさせない上に、これまでの経験がそこに上積みされた。サッカー選手としては、ここから円熟味が増していく。「90分プレーしたのは今年初。いよいよ始まる新シーズンに向けて勢いをつけていきたい。まだまだこれから」。7番の背中は、これからさらに頼もしくなりそうだ。