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IR汚職、特捜部は「菅官房長官・二階幹事長」を狙っている可能性

そうなれば政権が持たない

特定された「国交省の担当者」

昨年末、東京地検特捜部はIR(カジノを含む統合型リゾート)を担当する内閣府副大臣、国交省副大臣を務めた秋元司議員を収賄の疑いで逮捕した。IRへの参入を目指していた企業に便宜を図った見返りに賄賂を受け取るなどしていたとみてのことだ。今年1月14日には同じ容疑で再逮捕もしている。

賄賂を贈っていたのは、中国・深圳でスポーツくじ、インターネット・カジノなどを展開する「500ドットコム」。同社の紺野昌彦元顧問らが贈賄の容疑で逮捕されている。

 

検察関係者が語る。

「本線は、受託収賄とあっせん利得処罰法での立件だ。秋元は国交省副大臣だった2018年、『500ドットコム』に請われて同社が提携先として働きかけを行っていた北海道留寿都村を訪問したのち、IR構想のなかで同村がプライベート飛行場の建設を計画していたことに関連して、『中国の金持ちは民間機を使わずプライベートジェットを使う』『飛行場を留寿都につくるために、自分も省内で動いている』などと語っていた。『500ドットコム』の提携がうまくいくよう、留寿都村側に便宜を図ったわけで、まさに受託収賄だ」

飛行場を作る場合には国交大臣の許可が必要だが、秋元議員は副大臣として大臣を支える立場から許可への働きかけをしていたとみられるというのだ。

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ちなみに秋元議員は、留寿都村を訪問した際の費用約70万円を「500ドットコム」から受け取っていたともいう。また、同村のIR誘致を主導していた札幌市の観光会社側に国交省の担当部署を紹介した疑惑もあるようだ。検察関係者が続ける。

「秋元は、留寿都村のIR誘致にかかわっていた観光会社に飛行場について詳しい実務担当者の紹介も行っていた。こうなると、あっせん利得処罰法も適用できる。

実はその担当者も特定されている。航空局にいたキャリアだ。2019年7月に北海道庁に経済部次長として迎えられており、北海道がIR誘致から撤退する前はIR担当でもあった」

このキャリアは、特捜部から事情聴取されているという。