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「映像から判断するものは、AIに置き換わっていくと思います」阿部真貴男(パーソルプロセス&テクノロジー株式会社)〜Forkwell エンジニア成分研究所

「人・プロセスデザイン・テクノロジー」という3つの力によってビジネスプロセスの変革を促し、人と組織の成長創造インフラを担うことを目標とする会社、パーソルプロセス&テクノロジー株式会社。

同社が主軸の一つとして提供しているサービスが、AIやIoTを代表するようなテクノロジー活用です。

今回は、その機械学習エンジニアから3名の方に登場いただきます。第2回の今回は、阿部真貴男さんです。

AI系サービスのシステム開発で、リーダーを担当しています

――まず、阿部さんの現在の業務内容を伺えますでしょうか。

阿部 マイクロソフトのコグニティブサービスという、AI系サービスを使ったシステムの開発を担当しています。お客様の課題に合わせてコグニティブサービスを選定し、サービスの中に組み込んで課題を改善して行く仕事です。私は、開発リーダーをやらせていただいています。

――具体的には、どういうことをされているんですか? 

阿部 直近ではプリセールスをやっています。お客様から下りてきた課題に対し、AIを使って解決できる提案がないか検証。具体的なシステム構成を検討・資料化し、お客様のところに持っていって案件化する流れですね。

案件化したら、リーダーとしてプロジェクトを完了するまでチームを引っ張って行きます。

――チームのメンバーは、何人ぐらいいらっしゃるんですか? 

阿部 自然言語系の処理でチームが固まっているんですけど、デザイナー含めて4人体制のチームでやっています。

――となると、相当忙しそうですね。

阿部 そうですね。最近ではお客様に提案するにあたって、本当に実現できるのか小さなシステム開発をしています。それを持って、お客様のところでデモをするんですね。

最近では、あるお客様から「ユーザーからの問い合わせが多い」というご相談をいただきました。

問い合わせが多いということは、「1.ユーザーが不満を持っている」「2.問い合わせ対応に工数を取られる」という2つの課題があるんですね。

そこで実際にどういう課題があったかQ&Aリストをもらい、リストを元にボットを作成。問い合わせフォームに投げると、マイクロソフトの自然言語処理サービスを使って適切な回答をエンドユーザーに提示する。そういうシステムを提案して、持って行きました。

「火事場の馬鹿力」を実証研究した大学時代

阿部 大学は、情報工学系の大学でした。当時はラジオが好きだったので、自分が聞きたいようなラジオを自動的に選曲して流すようなものを作ったりしていましたね。

3年生のとき、大学が医療系に方針転換したんです。卒業研究に医療系を選択できるようになったので、医療系の研究室に入り、心理状態と体の中に流れる電気の関係性を研究していました。

驚いた時や喜んだ時などに、身体の中に流れる電気がどれだけ強く流れるか、そういう研究ですね。

――例えば電気が1番強い時って、どういう時なんですか? 

阿部 驚いた時ですね。「火事場の馬鹿力」という言葉がありますよね。心理状態と電気の強さで、身体の中にある筋力が強く働くケースがあります。

それを研究することで、いわゆる火事場の馬鹿力を数字的に実証することができました。

――驚くと、筋肉を動かすための電気信号がばっと出て、普段出ないような力が出ると。すごいですね。

阿部 そうですね。動物が臨戦態勢に入った時、普段よりも身体能力が向上するケースがあります。そういうものは、人間にも備わっていることがわかりました。

スマートな鎮火対応を見て、入社を希望

――2012年に現パーソルプロセス&テクノロジーさんに入社。きっかけは、何だったんですか? 

阿部 前職時代から現パーソルプロセス&テクノロジーとの関わりがあったんですが、その中でいわゆる炎上案件があったんですね。

他社だと、そういう問題が起きた時に人間関係がギスギスしがち。ですが、現パーソルプロセス&テクノロジーの場合は鎮火させるために他部署から精鋭を集め、問題点を洗い出し、「誰だったら改善できるのか」をサッとやって綺麗に片付けたんです。

誰も退職者を出さず、メンタルを崩さず、みんなやりきった感が残るプロジェクトの終わり方をした。そういうことができる会社って少ないと思いますし、「この会社にいたら、どんなプロジェクトでも楽しくやっていけるんだろうな」というイメージを強く持ったので入社を希望しました。

――最高ですね。入社されてイメージと違ったところはありましたか? 

阿部 一応技術系の会社なんですけど、問題解決の能力など、技術とは違ったところで活躍できるように、研修はかなり充実しています。

エンジニアとしてだけでなく、それ以外の部分も成長できる会社です。イメージと違うというか、さらに良かった部分ですね。

――エンジニアとしてだけでなく、ビジネスパーソンとしても成長できる。すごくいい環境ですね。

シンギュラリティは、いずれ来ると思います

――非エンジニアの立場から質問させていただければと思うんですけど、今後いわゆるシンギュラリティは来るんですか? 

阿部 10年先か20年先には来るんじゃないですか。

――AIがたくさんの情報を得た上で、そのうち自分で判断するようになってきて、人間を超えると。

阿部 イメージしやすいのは自動運転ですかね。2020年までに、実用レベルに持っていこうという政策があります。

例えばゆりかもめは、すでに人間が運転しない車両が走っています。画像とか映像を見て判断するようなものは、真っ先にAIに置き換わっていくと思います。

――例えば、夜道で人間の目では判断できない人だったり動物の動きでも、自動的にブレーキがかかったり。

阿部 そうですね。人間は目と耳だけで運転してますけど、機械はそれ以外でも判断できるので。

――それが全車両で実現できたら、相当すごいですね。

阿部 そうですよね。

――この間、日帰り旅行に行ったんですけど、すでに自動運転アシストは「高速道路で、疲れたから少し運転を任せる」程度はできるんですよね。さすがに目線をずっと切るのは怖いですけど、「ちょっと飲み物を取る」ぐらいはできるんですよね。

阿部 すごい進歩ですよね。

エンジニアだけでは実現できないことが、実現できる会社

・専門性向上:5

他の会社で働く時に残るものは、自分の専門性や経験だけだと思うので。大事なところかなと思っています。

・仲間:5

会社で仕事をしていく上で、毎日顔を合わせて仕事をしていくのでかなり大事かなと思います。

・お金:4

これも日本で生活していく上では、お金がかかるので必要かなと思います。

・事業内容:2

こだわりはないんですけど、自分の働く軸にあった事業内容じゃないとやりたい仕事とマッチしないと思うので。

・働き方自由度:2

定義にもよると思うんですけど、お子さんのいる方が育児と両立できる働き方とか。今の時代にあった働き方ができれば良いのかなと思います。

――来年のオリンピックを考えたら絶対必要ですよね。

・会社愛:2

この会社の良いところは、エンジニアリング以外のことにも長けている人がたくさんいることですね。エンジニアだけじゃ実現できないことが、たくさんできる。それが売りですよね。

前職だと理系9割とかだったんですけど。うちの会社は感覚では5:5くらい。理系ばかり集まっているとやらないことができたりもするので、そういう意味ではすごく面白い会社なのかなと、会社愛はちゃんとありますよ(笑)。

――最後にキャリアに迷っているエンジニアの方に向けてメッセージをいただけますでしょうか? 

阿部 難しいですね。社内でどういうキャリアを積んで行くか悩んだ時期があるんですけど、外の会社の人とハッカソンだったりで交流して、外の世界を知ることが多くなりました。

そうすれば、必然とキャリアの悩みは消えていくのかなと。外の会社の人と交流するような機会を増やして、自分に問いかけて答えを出しています。

――外の会社の方と、どういう話をされるんですか? 

阿部 どんな課題があってどんな取り組みをしているのか、会社で働く上でのモチベーションは何かとか。会社が違うと全然文化も人柄も違うので、そういう情報収集を大事にしていますね。

<了>

ライター:澤山大輔


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