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【大相撲】

[北の富士コラム]人気を二分する遠藤と炎鵬、ファン層は重複していると思われる。だから喜んでばかりいられなかったのだろう。私は率直に炎鵬を応援することに決めているが、誠に御愁傷さまです

2020年1月19日 20時34分

炎鵬(左)の攻めを残す遠藤

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◇大相撲初場所8日目(19日・両国国技館)

 当代の人気を二分する遠藤と炎鵬の対戦に、場内は騒然となった。私はテレビを見ているが、やはりこの一番は、現場で見たかったと後悔している。できれば解説したかった。残念なことをしたものだ。

 私は、炎鵬にチャンスありと予告していた。遠藤は確かに、抜群のうまさを発揮するが、小さい炎鵬を攻略する方法は見つかっていなかったと思われる。立ち合いから遠藤は攻め手を失っていた。懐に入れては面倒と突き放して出たが、すっかり腰が引けて、前に出られない。時に遠藤が攻めるが、炎鵬は右に左に動いて翻弄(ほんろう)する。完全に炎鵬ペースである。

 意を決した遠藤が正面土俵に攻め込んだ。そこを待っていたとばかり、左から突き落としを見せ、体勢を崩した遠藤に、立ち直りを許さず、はずで押し出した。遠藤はどんな相手でも、沈着冷静な力士である。その遠藤があせりを見せたのだから、少なからず驚いた。同郷の後輩との対戦に、クールな遠藤も動揺は隠せなかったようだ。

 これで遠藤は2敗となり、優勝争いから一歩、後退となった。優勝は意識していないらしいが、こんなチャンスはそうはない。もっと悔しがってもらいたい。

 一方、炎鵬は持てる力を出し尽くし、見事な相撲をみせてくれた。今場所は少し家賃が高かったと思わせたが、この1勝で自信を取り戻してくれると思われる。まさに値千金の一番であった。私は率直に炎鵬を応援することに決めているので喜んでいるが、お客さまの反応は微妙であったようだ。

 おそらく炎鵬と遠藤のファン層は重複していると思われる。だから喜んでばかりいられなかったのだろう。誠に御愁傷さまです。

 その他の相撲は、貴景勝が1敗を守り、正代が朝乃山に勝ち、1敗を守った。正代は堂々の相撲内容で大関候補の朝乃山を力でねじ伏せた。勢いに乗っているので、貴景勝と優勝争いを展開することになりそうだ。思わぬ伏兵の出現で後半戦が楽しみとなった。反対に高安と豪栄道はいよいよ苦しくなってきた。

 私も前夜は飲み過ぎてまだ、調子が悪い。調子に乗りすぎた。少しは年を考える時がきたようだ。反省。(元横綱)

 

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