2020-01-20

まともな両親じゃないとまともな大学生になれない

3人兄妹の真ん中で生まれた私はたぶん、軽度の虐待を受けて育った。

からずっといじめられていたのに、誰もかばってくれなかった。

両親からの直接的な暴力こそほとんどなかったものの、私だけ誕生日を祝ってもらえなかったり、サンタクロースからプレゼントがなかったりした。

決して貧乏な家じゃなかったとおもう。世帯年収で1500万円ぐらいあったらしいし。

こどものころは「そういうものかー」と思っていたけど、高校生ときに、私だけご飯が出なくなってから異常であることに気づいた。

なんとか祖父母の家に転がり込んで勉強した。

地元から離れたくて一生懸命勉強した。

運良く地底に合格できて一人暮らしを始めた。

8割ぐらいの新入生が一人暮らしをする大学だった。

入学金と授業料祖父母に払ってもらった。

きっと、この決断のせいで人生がだめになったように思う。

入学して半年祖父母が亡くなり、保証人がいなくなった。

未成年に住むところを貸してくれる会社もなければ借りられるお金もない。

教科書を買うお金もない。理系だったから (?) なおさら教科書が高かったように思う。

奨学金も借りられない。一般的日本学生支援機構奨学金は親の収入証明必要になる。

親に収入証明を出してもらおうとお願いし、土下座までしたが蹴り飛ばされて終わった。

今までで一番ひどい暴力だったが、痛みよりも呆然とした気持ちでいっぱいだった。

なんとか、友人の家や先輩の家に転がり込んで、生活費を稼ごうと居酒屋バイトした。

まかないは好きなだけ食べて良いお店だったから、食べるのは1日1食でなんとかしのいだ。店長理解してくれる人で、余り物をもらって持ち帰ったりもした。

ずるずると4年生になって、研究室に配属された。

その頃にはバイトでなんとかお金を貯めることができて、家も借りられた。家賃1.5万円の築40年以上経過してる、寝るためだけの場所

研究は、目の前のことに集中していればいいから楽だった。まわりは大変そうだったけど、私にとっては現実逃避のようなものだった。

ふと冷静になると、友人や同級生家族に支えられながら、心配されながら暮らしているのに、私はなんてみじめなんだろうと感じた。

そういうのを感じたくないか年末年始お盆もただただ研究してた。

別に楽しいとか好奇心とかはなく、逃げるために研究してたのかもしれない。

ラボスタッフには褒められてうれしかったけど、どこまでもみじめだと思ってた。

就活もしたかったけどお金がなくてできなかった。地方大で就活する場合一般的に30万円ほど必要になるらしい。

例年、4年生の9割近くは大学修士課程に進学する大学で、同級生は当たり前のように進学を希望していて、もちろん親に援助してもらっていて、なお一層つらくなった。

就活するにも進学するにもお金必要で、でも親の協力を得られないとなんにもできない日本が嫌になった。

ここまで生きるのを頑張ってきて、必死でやってきたことを無駄にしたくなかったから、理解してくれた知人を尋ね回って進学する資金を集めた。

そのまま修士課程必死に頑張り続けて、ようやく修士論文提出の直前まで来た。

ただ、やっぱりふとした瞬間に、どこまでもみじめで、どうしようもないやるせなさに襲われる。

来年からDC1に採択されてきっと生活は楽になるけど、ここまでで350万円も奨学金以外の借金を背負ってしまった。

かに奨学金は親の収入が少ない学生には配慮しているけれど、私のような親との関係性が悪い学生のことは考慮してくれないのだろう。

つくづく日本という国のシステムが嫌になる。他国がどうなってるかは知らないけど。

理系博士課程1人を育てるために、1億円近い税金が投入されているらしい。

そりゃ確かに1 mL10万円もする試薬もざらにあるし、多分本当にそのくらいかかっているんだろう。

一方で私が払った学費たかだか500万円にも満たないものだ。

でも、どうしても日本という国が好きになれない。もっと人間らしい生活を送りたかった。もっと大学生らしいことをしたかった。

だって新しい服を買いたいと思ったし、趣味お金を使うこともしたかった。旅行にいける友人がうらやましかった。

私の青春はきっと、来ないままで終わるんだろうなって思うと無性に悔しくなる。

ちょっと前までは全部親が悪い、日本が悪いと思いこんでやり過ごせていたけれど、最近はすべてなにかに責任押し付けようとしてそれらしい理由を探しているんじゃないかと思ってきた。

何が正しいのかはわからないけど。

どうすれば正解だったんだろうなぁ。一般に楽しくて自由な期間は全て終わってしまった。私にはモラトリアム期間はなかったんだろう。明日明後日も漫然と研究して、過ごすんだろうなぁ。

今後もずっと親と国を憎みながら、過ごすんだろうなって想像できる。

もっと良い両親の下に生まれたかった。なにもかもが悔しい。

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