視聴者からの質問に村田監督が答えます。
※テレビシリーズ、OVA「めぐる航路、遥か」、小説に関わるネタバレを含んでおりますので、未視聴の方はご注意ください。
■小説編
Q1イグナイトの声は男声ですか女声ですか?
(同内容の質問)特典小説のイグナイトの声は男性ですか?女性ですか? リヴに性別はありますか?
A1男声です。
リヴの性別はありますが、人類側の知識からは判別することが出来ません。が、設定上は女性だとお考え下さい。
Q2大きな部下が2人もいるリーマ様は本国ではどのくらい偉いのかわかりやすく教えてください!
A2正規の軍人教育を受けずに士官待遇となった人間なので、職務規程上は准尉の扱いです。ただし、独自の「隊」を指揮し、任務遂行する権限が与えられているので、実質的には大尉に相当します。
Q3ガルガンティア船団の人の名前の由来は歯車や工具の名前でしたが、続編の登場人物にも名前の由来はあるのでしょうか?
A3あります。基本的には機械・工具系の名称が元になっています。
Q4マズルの言語は旧文明の言葉=英語 とのことですが、2期小説でホーキンスが“リヴ=生きる”という単語を知っていたことから、その気になればマズルの言葉を解析することはできたように思います。リーマや陸の人達は解析してなかったのですか? だとしたら何故ですか?
A4文字言語としての英語はそのままの形で記録の中に継承されていますが、音声言語としての英語は変質してしまっていて、元をたどることが出来ない状態です。コンチネンタルユニオンが使用していた言語は基本的に英語ですが、イボルバー側への秘密漏洩を防止する一つの方策として、音声の置換を行いました。つまり、もとの読みと異なる音声をあてがった訳です。マズルの言語は英語ですが、ガルガンティア世界の住人はその音声を「英文化」できません。ホーキンスの知っている「リヴ」は音声置換される前の音声言語としての英語ですので、彼らの持っている情報だけでは、これを本来の英語の綴りに置き換えられないため、完全には意味を照合できません。
Q5エイミー以外にもメルティとサーヤにも親がいないのも亡くなったからなのですか? 設定があれば、公開できる範囲で知りたいです。やはり海上での生活は早くに事故などで亡くなる確率は高いのでしょうか。
A5事故で亡くなったり、海賊に襲われたり、またいろんな理由で船が船団から離れてしまってそのまま生き別れになってしまうケースは沢山あります。メルティは両親と生き別れになっています。メルティ一家は浮動型のサルベージ基地で織布工場を営んでいましたが、立ち寄った船に祖父が幼いメルティを連れて取引品を届けに行った際に嵐に遭遇し、浮動基地と船は互いに漂流し引き離され、そのまま再び邂逅することは出来ませんでした。メルティたちを乗せた船は漂流の末、ガルガンティア船団と遭遇し、メルティと祖父はフランジ船に移住しました。サーヤの両親は、下の妹が生まれて間もない頃に船の衝突事故で亡くなっています。両親は漁場を探索する船の操船を担っていましたが、大きな巡り銀河を発見した際、その銀河道の上で濃霧に遭遇し、他船団と衝突。そのまま沈没して帰らぬ人となってしまいました。
Q6マズルの動力源が知りたいです、ヒカリムシ、つまり電気で動いているのでしょうか? その場合充電はどこからしていたのでしょう、格納されていた船で補えるものだったのでしょうか?
A6陸では「時の御柱」が生み出す電力を利用できるため、マズル(=オーグメンテッドボディ)が起動した後にも安定的に電力供給でき、研究を行うことが可能でした。船にはボロい見た目に反して高性能蓄電設備が搭載され、ヒカリムシからの充電も行えます。ちなみにアウグストニアは前回の武闘の儀以降、電力は蓄電(揚水発電)したりリベリスタンから買ったりしていたため充分とは言えず、リベリスタンより技術的に遅れをとっているという背景もあります。
Q7陸の特務艦隊はなぜ明らかに大幅機能拡張してるマズルを鹵獲して持って帰ろうとしなかったのですか? 2年後(2期小説)でもオーグメンテッドボディの研究が進んでないくらいなので持ち帰ったら相当な手柄になったと思うのですが。
A7機能拡張したマズルを機能維持したまま鹵獲する実力が特務艦隊にあったかは不分明です。また、リーマに与えられた作戦が破棄された時点で特務艦隊によるマズル(とリーマとレド)回収という選択肢はなくなりました。
Q8ガルガンティア船団の冠婚葬祭が気になります。八話で葬式がありましたが、結婚式はどのように行われるのでしょうか? そもそも戸籍などはあるのでしょうか?
A8戸籍は各船の居住者登録に「夫婦」や「親子」などの続柄を記載するのみで、厳格なものではありません。むしろ各個人の乗船履歴の方が重要視されます。その人が今どの船に住んでいるのか、またこれまでどの船の住人だったのか。これが途切れると個人の信用が失われ、場合によっては「海賊」として扱われます。
Q9唯一マズルを動かせるリーマを簡単に切り捨てるのは何故ですか? 貴重な人材だと思うのですが。
A9リベリスタンでオーグメンテッドボディを最初に動かしてみせたのはリーマでした。それを皮切りに、数人の操縦士が現れました。リーマはその優秀さから空飛ぶユンボロの操縦士との接触任務に就いたわけですが、所定の作戦期間を超過した上命令への不服従を見せたためあのような判断になりました。
Q10レド・オルダム・ベベルが解析していたオーグメンテッドボディの情報は陸も把握してるような情報なんでしょうか? もしそうでなかったらあれは相当貴重な情報ということになると思うのですが、そんな情報を積んでいたあの船は一体何なんですか?
A10コンチネンタルユニオンの艦船であったと考えられます。陸にもある程度の情報があった可能性はありますが、それを読み出すことができませんでした。レドの技術的知識なくして、オルダムにも不可能だったでしょう。
Q11リーマの部下の二人は、あの後結局どうなったんですか? 後ろ手で縛られていたので、おそらくレーザー銃の出力を絞っていて、命には別状ないと思うのですが…… やっぱり最終的には本国に送還されだのでしょうか?
A11本国に送還する手段がないので、二人はガルガンティア船団に収監されています。口を割らないので、ある拘束の範囲で船団の労働に従事することになります。
Q12マズルを「マズル」と命名したのは誰なのでしょうか? また、その昔マズルは何と呼ばれていたのでしょう? (同内容の質問)マズルという名前はリーマが名付けたのですか? それとも軍のコードネームですか?
A12マズルは海底から発掘された時点では無名です。オーグメンテッドボディに類型される機体の一つ、という認識のされ方です。これが開発機関に委ねられ、ひとつの個体として識別される必要が生じたときに、マズルというコードネームが与えられました。命名したのは、リベリスタンにおける「武闘の儀」に出場する人型機動兵器の開発総責任者でもあるパウルです。
■テレビシリーズ・OVA編
Q1この作品の名前が出ているキャラで、実は既に結婚している設定のキャラはいますか?
A1クラウン、フランジは結婚しています。
Q2三人娘はレド以外に同年代の異性の友達はいますか?
A2います。作品上では登場していません。
Q3リジットの私室にピアノがありますが、ガルガンティアの世界ではピアノを製造する技術は残っているのでしょうか?
A3新しくイチから作る技術はありません。過去の遺物を改造・修理して使用しています。
Q4船団の人たちは普段どこで泳ぎの練習をしているのですか?
A4小型の船で船団を離れて作業する人々は、その出先で、実際に海に入って泳ぎを習得します。船団から離れない生活をしている人々はイケス船や、公衆浴場などで練習をします。ただ、皆が泳ぎを習得しているわけではなく、泳げない人も沢山います。
Q5服装などからもガルガンティアは開放的なイメージがありますが、ピニオンが好みそうな 女の子とちょっとエッチなムードになれるお店…なんてのはあるのでしょうか? また日ごろ船団の人たちはどんな娯楽を楽しんでいるのでしょうか、教えてください。
A5大船団は都市国家のようなものですので、様々な客層に応じたお店があります。表側裏側、昼向け夜向け、男性向け女性向け、大人向け子供向けと一通りあります。船やカイトを利用したスポーツや、歌、芝居的な見世物、賭け事、食事や酒、などなど。
Q6後編でピニオンたちが夕方頃に「ここからは大人の時間だ」みたいなことを言っていましたが、この世界では何才あたりから大人扱いなのでしょうか? 私たちの住む世界と同じ感覚ですか?
A6時と場合によって「大人」と「子供」の解釈が変わります。職業に就いて自活しているという点でいうと、エイミーたちは十分大人ですが、夜に酒を飲み遊んで良い年齢はそれよりも少し上、という感覚です。厳密には現代日本のような「成人」の規定はありませんので、ピニオンが年少組のエイミー達をからかう方便として使っている、ということだと考えてください。
Q7ガルガンティアの世界にはテレビは無かったようでしたが、ラジオは存在したのでしょうか? 無線は普通に使っていたので気になっています。
A7ラジオは存在しています。巡る航路後編の中で、リジットが船団住民に通達している場面でも、一部ラジオが使用されています。
Q8ガルガンティアの世界にもクリスマスやバレンタインなどといった季節ごとのイベントは残ってますか? そもそも西暦は使われているのでしょうか。
A8クリスマス、バレンタインなど、キリスト教をはじめ我々が知っている既存の宗教に準ずる行事はありません。
また船団民の社会には西暦もありません。ガルガンティア船団においては、ガルガンティア暦、つまり船団が発足した年を元年とする暦を使用しています。一年を区切る時間の単位はありますので、船団民は自分の年齢を数えることができます。
Q9サルベージや船の修理を生業にする船団があるように、医療に特化した船団もあるのでしょうか?
A9他の船団に比べて、お医者さんがたくさん住んでいる船団や、良い腕の医者、良い医療機器がそろっている船団、というのは存在するはずですが、たとえば、「病院船団」、のような、医療を専門にする船団は存在しません。
船団は共同体ですので、基本的にその内側で生活が完結している必要があります。サルベージや修理で商売をしている船団も、他の船団と接触しない間は自給自足ですので、食料は自分たちで海から獲ります。なので、お医者さんが沢山いるとしたら、そのお医者さんたち自身も漁業をして食料を得るか、あるいはお医者さん達の生活を支える仕事をする人々が周囲に沢山いるということになります。あと、医療に特化するには、常にそのキャパを満たすだけの患者さんが必要になりますので、結局お医者さんだけの船団というのは成立しないことになります。ただし、大船団に所属する病院船、というのはあり得ます。
Q10ユンボロはコアユニット発掘しないと新しいのを作れないようですが、PCはどうなのでしょうか。今回サーバールーム並のPCが多数出てきましたが、基盤はどうやって準備したのでしょうか。レドが作っているんですか?発掘したものですか? 作る技術はあるのですか?
A10コンピュータ類は、すべてサルベージ品です。
内部まで浸水したものは使い物になりませんが、もともと水中での使用が想定されて防水構造になっていたものや、機密性の高い場所あるいは容器の中に保管されていたもののうち、起動できたものを使っています。
Q11ガラスってどこから調達しているんですか? ガラスの加工は火を利用しているんでしょうか。その場合、火の元は何になるんでしょうか。船の上だと木材調達に限界があると思うのですが…
A11ガラスは、基本的にはサルベージ品のガラスを使いまわしています。
が、サルベージ作業をした海底が珪砂(けいしゃ)を多く含んでいる土壌の場合は、サルベージ物と一緒に珪砂も引き上げて、ガラスを作ることがあります。
Q12作中で女性陣が付けているアクセサリー等の宝石はどこから入手しているのですか?陸からの発掘品とすると貴重なものに思いますが? サンゴや真珠貝などは浅い海の産物ですからガルガンでは難しいのではないかと…。養殖している所があるのでしょうか?
A12もっともメジャーなのはサンゴ類で、これは竜宮城などの人工島で沢山採れます。養殖ではなく海面下のフロートにサンゴ礁が自生します。また、船団のイケス船などでも少量採れます。あとはガラスに色を付けたもの、そしてサルベージされた本物の宝石などです。
Q13同盟の人間に苗字がないのは家族という単位がないからだと思いますが、ガルガンティアの人間に苗字がないのは船団全体で家族みたいなものという意識があるからですか? 陸の人にも苗字はないのですか?
A13船団社会でも「家」という単位を重んじません。強いて呼ぶなら「○○船の誰々」という言い方になります。が、船団内で顔馴染みになったあとは、どの船に所属しているのかをあえて言う必要はないので、名前だけで呼びます。陸地国家には「家名」は存在しているはずですが、それで呼ぶ習慣はなく基本的には名前のみで呼びます。
Q14コンチネンタルユニオンの開発したワープゲートを利用して外宇宙に出たイボルバー=ヒディアーズですが、その後は彼等独自のワープシステムは持ち合わせていたのでしょうか?
A14イボルバー側は独自のワープシステムは持っていません。利用する際は、常にコンチネンタルユニオン側のものを乗っ取って使っています。
Q15ストライカーもチェインバーやマズルのような脱出機構があるのでしょうか。その場合どこで分割されるのでしょうか?
A15ありますが、そのディティールは、本編に使用しないので設定画として起こされていなかったように思います。
Q16本編でレドがわかめパン1個で昼を済ましていたのが気になります。15話で中佐も少ししか食べていませんでしたし、クーゲル船団でもピニオンに比べレドは非常に少量の食事しか出されておらず、同盟人は燃費のいい身体をしていて小食なのでしょうか?
A16特に小食というわけではありませんが、地球の食事に慣れるまでは、銀河同盟のゼリー風非常食を併用していたので、たくさん食べずに済んでいます。
Q17本編でレドは徐々に日焼けをして行っていますが慣れるまでは大変だったのではないですか? 何世代も紫外線を防護した空間で暮らして来たのでしょうしいきなり直射日光に晒されては火傷のように…。それはチェインバーが毎晩火ぶくれ対策の治療のような事をしていたのでしょうか?
A17レドのパイロットスーツは、パイロットの新陳代謝や体調管理をサポートしていますので、スーツをちゃんと着た次点で、日焼けした皮膚も自動的に治療してしまいます。
Q18作品を見る限り、レドが私生活でいつも女の子とばかり行動しているように見えて心配です。新たに男の子の友達はできなかったのでしょうか。
A18ベローズチームにもピニオンチームにも同世代の男子はいますので、それなりの付き合いはあると思います。ただ、エイミー達女子チームが引っ張りまわすので、なかなかプライベートタイムに男同士で行動するチャンスには恵まれません。
Q19凪の日、謝肉祭はどの程度のペースで来ますか?ハナハルさんの漫画ではベローズは踊り子を引退していたようですが、何歳で引退とか決まっているのでしょうか?
A19凪がいつ来るかは自然現象なので特定できません。
謝肉祭は基本的に「巡り銀河」との遭遇などにより、魚が大漁だった時に行われますので、これもペースが決まっている訳ではありません。ただ、どれくらいの「大漁」で謝肉祭が行われるかは、その直前までどれくらい魚が獲れていたかによって左右されるので、厳密には漁業ギルド長と船団上層部の判断で決まります。大漁がつづく場合は、最初の大漁の時だけ祭をして、以後連続して祭が行われることはありませんし、逆に、魚が獲れない期間が長いと、少し多く獲れただけでも行うことがあります。
Q20レドとチェインバーには信頼関係があり相棒的関係性に見えますが、同盟でも標準的なものだったのか、それとも特別に仲が良いほうだったのですか? またクーゲル中佐とストライカーとの関係とも違ったのでしょうか。両者の地球での結末の違いには関係性の違いもあるのでしょうか?
A20たとえば人間同士における信頼関係に、親子、兄弟、夫婦、恋人、友人、仕事仲間など、いろんな形があるように、パイロットとマシンキャリバーの間にも、その組み合わせごとに「二人ならではの関係」があります。それぞれの関係性の性質の違いは言うことが可能ですが、信頼の度合いに優劣をつけるのは難しいです。その言い方からすると、レドとチェインバーの信頼関係は、クーゲルとストライカーの信頼関係は、質の違うものであったということはできます。
Q21チェインバーもストライカーもお互いを逸脱した存在だと言い合ってましたが、人類銀河同盟的に標準な支援IFシステムとはどんなものなんでしょうか?
A21テレビシリーズ第1話Aパートにおけるチェインバーとストライカーがそうです。
Q2212話、13話でチェインバーやストライカーが使用していた銃剣付きビームライフルやミサイルランチャー、ガトリングガンは、本来はマズルの同型機が使用していた武器だったのでしょうか?
A22ビームに関しては、同じ原理を使用した兵器ですので、12、13話のビーム兵器の親戚にあたります。ミサイルランチャーやガトリングガンは、過去の兵器のアレンジですが、オーグメンテッドボディが使用していたかどうかは定かではありません。
Q23クーゲル中佐が存命している間にチェインバーの救難信号を受け取っていたとのことですが、返信をしなかったのは同盟の信号であっても陸やその他勢力に傍受される恐れがあったからですか?
A23その通りです。
Q24クーゲル中佐やリナリアが罹っていた風土病はガルガンティアでも治す手段のない病気なのでしょうか? クーゲル船団員が入ってきたことで病気が持ち込まれないのかと気になりましたが、弱者淘汰の儀式で罹患者はいなくなっていたということでしょうか?
A24ガルガンティア船団は、極めて雑多な人々が同居している船団なので、過去に何度も病気の流行で沢山の死者が出ているはずです。今の住民たちは、その生き残りなので、おっしゃる通り淘汰された状態です。なので、レドは気をつけなければいけません。
Q25自分の船を買うって結構お金がかかる気がするのですが、レドはあの若さで自分のお金で船を買ったのですか? いっぱいオキュウリョウが入ったのですか? ローンを組んだりしたのでしょうか?
A25船団から借り受けています。購入するお金が出来たら、購入するかも知れません。
Q26レドの船の名前は決まってますか?
A26船の名前はあるはずですが、レド達は普段その名を使っていません。「レドの船」で通っています。
Q27レドはベベルたちと作業していた帆船で寝泊まりしているのですか? あそこが家扱いで良いのでしょうか?
A27あの船で寝泊まりしています。お風呂やトイレもついています。機械類を並べてある棚の上に寝床があり、そこで寝ています。
Q28本編終了から半年も地球で生活しているレドはそろそろワカメパン以外に好物を見つけたのではないかと思いますが、OVA時点でのレドの好きな食べ物を教えてください。
A28レドは特に好き嫌いなく何でも食べます。
が、強いて言うなら「エイミーのお手製の料理」でしょうか。
Q29リーマがクーゲル船団に入った(潜入した?)のは15話で言うとどの辺りですか?それとも15話の更に後ですか?
A29リーマが潜入したのは、クーゲルとリナリアの共同支配体制時代、船団が拡大していく過程の後半です。空飛ぶユンボロを使って急拡大している海賊船団がある、という情報が陸地国家に伝わり、事実を確認しつつ可能ならそのユンボロと操縦者を接収してくるという目的でリーマのチームが送り込まれました。
Q30めぐる航路前編で、お風呂上りにエイミーは魚を2本持っていましたが自分で2本とも食べるつもりだったのですか? それとも…レド用ですか…?
A30もちろん一本はレド用です。二人でベンチに掛けて食べるつもりでした。
Q31アルテミア号は破棄する!と言っていましたがチェインバーが止めたあと船本体はどうなったのでしょうか?
A31巡る航路後編の冒頭でフライスが弁当を食べているのがアルテミア号になりますので、無事に船団に復帰しています。あの場所は、前編の嵐の際にエイミーとサーヤが手すりにしがみついていた場所です。
Q32後編OPでメルティが弁当箱を置くシーン、奥のほうにいる少年がメルティを見る視線から何やら熱いものを感じる気がするのですがメルティはそこのところどう思ってるのでしょうか? イケメンじゃないから対象外ですか?
A32「うちの店に若い男子が二人来た」という時点で、意識していないはずはありませんが、まだそれ以上でもありません。メルティはおそらくその「熱い視線」にはまだ気づいていません。
Q33OVAでリジットさんが酔っ払う描写がありましたが、リジットさんがお酒に弱いというのはBOX二巻のハナハルさんの漫画の設定からきたのでしょうか? それとも元からあった設定ですか?
A33ご質問のとおりハナハルさんの漫画が元になっています。OVAで酔っ払わせたのは大原さやかさんの酔っ払い演技には間違いがないという確信があったためです(脚本・谷村)
Q34リーマがラケージ様と去った後、マズルの頭部は海に沈んでしまったのですか? ガルガンティアで回収はしなかったorできなかったのでしょうか?
A34マズルの頭部はラケージユンボロの去り際に沈んでしまっています。船団は回収しようとしましたが出来ませんでした。
Q35リーマはチェインバーの話を聞いて「空神の御使い様と同じ」と評しましたが、何について同じと感じたのでしょうか。純粋な兵器としての性能ですか? それともレドが微笑みながら「マシンキャリバー、いや、あいつはチェインバーだ」と表現したバディとしての関係性でしょうか?
A35強大な力を持つ兵器であるとともに、最強の鎧としてクーゲルを守る存在でもある、という点についてです。クーゲルは自分が支配する船団民の前で、ストライカーに対してバディ感をさらすことはないので、リーマがそちらの関係性を感じることはありませんでした。
Q36リーマはレドに近付きたいならメッセンジャーではなくサルベージ(ベローズに弟子入り)をしたほうが近道だったと思うのですが、敢えてメッセンジャーを選んだ理由は何ですか? 情報収集に便利だからですか?
A36情報収集に便利だからです。巡る航路前編で、ピニオンに誘われた時、「でも私、今はこのガルガンティアのこと、もっと知りたいんです」と言っていたのは、まさにその言葉の通りの意味です。
Q37特務艦隊の登場で結局リーマはレドに協力してもらう事は出来なかったのですが、もし何もなく事が進んでいたとしたらリーマはどのようにレドを説得するつもりだったのでしょうか? 「レドがガルガンティアを離れるように仕向ける」と言っていたので、何か奥の手が有ったのか!?
A37リーマは、レドがこの地球の秘密を知りたがっていることを理解していますので、「陸地にくれば、このマズルのこと以外にも沢山のことを知ることができる」という直球でまずは勝負するつもりでした。
Q38陸でならベベルの病気を治せると言っていましたが、ガルガンティア船団の医療は現代でいうとどこの国の水準に近いのでしょうか? 病気を治す方法はわかっていても設備や技術ある医師がいないから治療ができないのか、そもそも治療方法がわからないのか、どちらなのでしょうか?
A38どこの国の水準に相当するかは、監督である村田が現在の世界の医療水準について詳しく語れるほど知識がないので比較のしようがありません。治せない理由は両方ともです。まず、過去の資料によって医学に関する知識はそれなりにありますが、精密な検査ができる機材がないので、病気の原因を正確に特定できていません。また、仮に正確に特定できたとしても、その病気を治せる薬、設備、技術が船団には存在していない可能性が高い、という状況です。
Q39「マズル」という名称はマシンキャリバーで言うところの「チェインバー」のようなもの(同型機は全て「マズル」)でしょうか? それともリーマが名付けた名でしょうか?
A39マズルはあの機体に対する呼び名です。実験の上でのコードネームみたいなものですが、リーマは「名前」として認識しています。ちなみに「チェインバー」も個体に対する呼び名ですので、ロボット自体は量産機ですが、チェインバーと名付けられた機体はレドの登場する一機だけです。
Q40マズルがリーマの映像記録してますが、マズルは引き上げられて起動してからずっと周囲を記録していたのですか?
A40起動してからですが、ずっとではありません。自分の身の回りに変化があり、記録する必要性ありと判断した範囲で記録をしています。周囲や内部が無人で変化がない場合は記録は行われません。
Q41リーマは元々整備士か何かで機械に詳しかったところでマズルのパイロットに選ばれたのですか?それともマズルのパイロットに選ばれたから機械に詳しくなったのですか?
(同内容の質問)リーマがマズルの整備士兼パイロットになった経緯に質問です。元々整備士でマズル担当になったのか、偶然にもマズルが動かせるとわかって整備士になったのか、それとも別の経緯でしょうか?
A41リーマは機械に対して特別な才能がありました。それを見込まれて、年少であるにも関わらず、軍の技術開発部門に採用されています。マズルについての解析、修理を担当させられて、動かせたのでパイロットになった、という流れです。
Q42リーマがマズルを操縦する際、レドが手を添えていたほうが上手く操縦できていたのは何故でしょうか?レドの意思もマズルに伝わっていたのか、それとも一緒のほうがリーマもなんとなく落ち着いて操縦できたといったような理由でしょうか?
(同内容の質問)マズルコックピット内の拘束機はシートベルトの役割ですか?モニタに搭乗者のマークが付いてるのはチェインバーのようにパイロットの身体情報を把握できているのか、車のシートベルトマークのような役割なだけなのか気になります。
A42レドはリーマに添えた指と体の動きを通じて、「こういうふうにマズルに指示を出して」というメッセージをリーマに送っていました。リーマをそれを受け取り、マズルを操縦していたのですが、レドがいなくなったとたん、どうすればいいか分からなくなってしまい、拙い操縦になって(戻って)しまったということです。
Q43レドがマズルを操縦した時に「読みとってくれるはず」と言っていましたが、マズル(達)の場合はスーツ等の補助媒体無しでも直接思考連結が出来る規格なのでしょうか?その為の明確なイメージが必要だったのですか?
A43操縦者が動きを明確にイメージした際に指先と体の各所から発生する生体信号を、体をあちこちから固定しているパーツで受け取ります。リーマの体を固定していた各パーツが、チェインバーにおけるレドのパイロットスーツに近い役割を果たします。
Q44マズルは引き上げ後装甲やフレームは新規に作り替えたのでしょうか? 割りとそのままなのでしょうか? 陸戦兵器とのことですがコクピットが浸水しなかったのを見ると水中や宇宙での稼働も前提にあったのでしょうか? またどれ位前に開発された物なのでしょうか?
A44マズルは引き上げたあと、装甲やフレームの作り替えはしていません。傷んでいた部分の再塗装などは行っていますが、ほぼそのままです。コクピットが浸水しなかったのは、ゆくゆくは宇宙に出るために開発されていたものだったからです。開発時期は秘密です。
Q45ワールドクリエイションのカバーに本編では見かけたことのない人類銀河同盟のキャラクターらしきピアース少佐という人が載っているのですが、これはどういうキャラクターの予定だったのですか?
A45ピアース少佐は人類銀河同盟の広報担当将校です。同盟軍の若い兵士を教育するためのプロパガンダを取り仕切る仕事をしています。たとえば1話の冒頭に登場した睡眠啓発のようなプロパガンダ映像を、同盟側で作成する時に現場を指揮したり、自ら映像に登場して解説したりします。
Q46ガルガンティアの人たちの服は南国寄り、リーマの服はヨーロッパ寄り、後編ラケージの服はチャイナ服寄りな印象を受けたのですが、意識してデザインされたのですか? もしそうならば、この作品の世界のどこかに和服っぽい服を着ている船団または集団はいるのでしょうか?
A46集団でいることは珍しいと思いますが、和服っぽい衣装もあります。気温が高めなので、和服といっても「浴衣」的な感じと考えてください。
Q47本編やOVAの日常パートでは描ききれなかったけど実はこんな行事や娯楽施設がある、尺があればこんな話も描きたかった、などの制作秘話があったら知りたいです。
A47沢山ありすぎますが…
子供達を中心にした話、たとえば学校的な場所に通う子供や、仕事の見習いをする子供たち、自分たちで商売する子供たちの話。船の上に家を増築しつづける大工さんの話。他の大船団と接触して船の組み替えや人々が交流をする話。(14話のような話をもっと突っ込んで)
あと、過去話としては、エイミー、サーヤ、メルティの出会い話。エイミーとベベルと両親の話。サーヤ、メルティの家族の話。リジットとシュブロンとフェアロックとオルダムの話。TV後日談としては、レドの新生活スタート話。など。
Q48ガルガンティアの世界観では、夫婦のキャラ(OVAでリジットの幼馴染の婚約は描かれていますが)や血の繋がった親子関係(リジット父は死んでいますし、メルティの家族は祖父ですよね?)のキャラが出て来ませんが、何か意図があるのでしょうか?
A48基本的には、親がいない状態で生活を余儀なくされる子供や若者が多い世界だということですが、特にレドという正体の分からない未知の存在に近づいてきた人々に、その傾向が強かった、ということです。
Q49オーグメンテッドボディ=拡張された身体、というのは本編でチェインバーが語っていた「人間がマシンキャリバーを作った理由」と重なるところがあると思うのですが、ネーミングの際にその辺り意識されたのでしょうか?
A49もちろん意識しています。迫る氷河期に、あくまで人として生存し対抗しようとしたコンチネンタルユニオンの思想を反映したネーミングです。ちなみにマシンキャリバーの開発思想もこの延長ではあるのですが、「支援」とともに「統制」の機能が充実していることが大きな違いでしょうか。(脚本・谷村)
Q50マズルの水面ジャンプのように当初想定してたより大きく変わって良くなったシーンや設定などありますか?
A50リーマとマズルが、当初想定していたよりずっと「愛すべきキャラ」になりました。また竜宮城の首脳陣が良いキャラになりすぎて、出番が少ないのが勿体無い感じになりました。竜宮城という場所全体にも同じことが言えますが…
それから、ラケージの少女姿は想定のクオリティを超えていました。あと、レドが離れていくリーマ船の連絡橋に向かってジャンプするところとか、もともとユンボロを使った移動だったのを、レドの生身のアクションに変更できて良かったです。
Q51OVA前編公開直前のオールスター感謝祭で船団の錆びさせすぎや入浴施設の外装派手すぎなど「頑張りすぎた背景」の話をお聞きしましたが、後編にて新たに登場した場所(背景)でそのような箇所はありますか?
A51想定外でビックリした、というのは無かったと思います。
Q52ラケージ様のお嬢様バージョンがとてもハナハル氏らしいビジュアルなのですが、デザイン依頼の際に村田監督から要望されたこととかありますか?
A52海賊の親分とは対照的な清楚なお嬢様な感じで、ぱっと見でラケージに見えない、でもよく見るとちゃんとラケージであることが分かる、そんな感じにしていただきたいと。コスチュームは、これまで本作で出て来なかったスタイルにしたいとオーダーしました。
Q53監督が音楽の入るタイミングや間を大切にしていたり、発砲音などを工夫しているとのことでしたが、他にもこだわった効果音などありますか? 前編のエイミーがかばんを背負い直す肩紐のぎゅって音が印象的でした。
A53これも発砲音と関係するんですが、特務艦隊との海上戦闘の際に、その戦闘空間がすごく広いことを表現するために、全体に響き渡る反響音は意識しました。遠くで雷が鳴ったときのように、エコーがかかった感じになっています。
Q54タイトルにもなっていますが海の色を水色ではなくて翠色にしたのはどのような意図があったのでしょうか?
A54気温が高く海中の微生物が多いのと、あと稼働していない休眠中のヒカリムシの影響もあって、翠色になっています。