今回はメンタリストDaiGoさんの「知識を操る超読書術」を読んだので書評していきたいと思います。著者は1日の読書量が10~20冊も読まれているそうです。
本書は、著者が実際に実践している本を人生に役立たせる読書術が科学的根拠とともに紹介されています。
読書が苦手な人はもちろん、読書習慣がある人にもより身のある読書をするために必見なノウハウが詰まっています。
本書には、内容から得た知識を使うことを前提とし、実生活に役立てるための本の読み方が紹介されています。
念のため、ストーリーを楽しむ小説を速く読む方法ではないので注意して読みましょう。
本書が特に役立つ人は
- 読書したいけど集中力が続かない
- 本を読んでも内容が入ってこない
- 読んだ内容をうまく説明できない
私もその一人でした。こひー書店の読書量を格段に上げてくれたのが「自分を操る超集中力」という本なので著者の本は根拠もあり個人的に為になる本でした。「知識を操る超読書術」は本を読むのに特化したものになっているのでさらに効果的でした。
小説やマンガのようにストーリーを楽しむジャンルは別ですが、本は最初のページから最後のページまでをじっくりと読まなければいけないわけではありません。
重要なのは、あなたが読書の前に「得たい知識」を明らかにすることです。
この言葉は、前書きにはこんな風に書かれています。そして合わせて「こんな人は〇章から」と、人に応じてどの章から読むのがいいか誘導してくれています。というのもあって読みやすいというのが本書の特徴でもあると思いました。
「本の内容を今以上に自分のものにしたいと願っている人は第3章から。」と書かれているので、慣れている人はぜひ3章から読み進めましょう。
私たちは何かを知りたい、学びたい、変えたい、と思った時に、あるいはタイトルに興味を惹かれた時、本に手を伸ばします。
しかし読みたい本ばかり増えて、いっこうに積読が減りません。もしくは読んでも内容をすぐに忘れてしまう、人に説明できるほど知識が定着しない、ということは多いと感じます。ぜひ本書を読み読書を有効にしたいですね。
本書の構成
はじめに
第1章 読書にまつわる3つのフェイク
– 非科学的な読書術をぶった斬る
フェイク1 「速読」の嘘
フェイク2 「多読」の嘘
フェイク3 「選書」の嘘
– DaiGo流 知識を操る読書術とは
コラム 読んでも忘れない記憶術
第2章 読書の質を高める3つの準備
– 読書で結果が出せないのは、脳と感情の操り方を知らないからだ
準備1 メンタルマップ
準備2 キュリオシティ・ギャップ
準備3 セルフテスト
コラム ワーキングメモリを鍛える
第3章 理解力と記憶力を高める5つの読み方
– 難しい本でもなんども読み直すことがなくなる
読む前と後 「予測」読み
読みながら 「視覚化」読み
読みながら 「つなげ」読み
読みながら 「要するに」読み
読んだ後 「しつもん」読み
コラム 記憶の定着を促す戦略的な眠り方
第4章 知識を自在に操る3つのアウトプット
– 頭の良さは、説明力で決まる
アウトプット1 テクニカルタームで聞き手の心をつかむ
アウトプット2 SPICEで説得力を上げる
コラム なぜ私は歩きながら本を読み続けるのか
第1章
私たちは本を速く読もうとするほど理解度は下がってしまいます。ここでは、読書にまつわる3つの嘘が科学的に解き明かされています。
よく読書スキルとしてよくいわれる「速読」や「多読」があります。
本書によると、多くの人は「本をたくさん読むほど、知識が増える」「たくさんの本を読むためには、速く読むスキルが必要だ」という勘違いをしています。
とある速読術の研究では、読むスピードを上げると、読んだ気になるだけで、内容の理解度はむしろ下がるという結果が示されています。たとえ速く読めても、「読んだ気分」がより多く得られるだけです。読んでも定着しないということです。
なぜかというと、こうした「速く読む」「たくさん読む」といった読書術の効果は、さまざまな大学の研究者たちによって、すでに否定されていることなのです。
第2章
DaiGo式超読書術の秘訣は「読む前」にあると言われています。要するに準備が必要です。「読書の質を高める準備」について紹介されています。
「読む前の準備」さえ整っていれば、読書の7割は成功と言うほど大切です。
そのテクニックのひとつが「メンタルマップ」です。あらかじめ読もうと思っている本について「なぜ、この本を読むのか?」「この本から何を得たいのか?」などの質問の答えを3行程度のメモで書いておくというシンプルな方法で効果が得られます。
メンタルマップを用意しておけば1冊を読み通す力が養われ、集中力が途切れかけた時に、本への興味を取り戻せると著者は言います。
より確実に効果を発揮するメンタルマップの作り方は、本書で確認してみてください!
第三章
第3章では「理解力と記憶力を高める本の読み方」が5つ紹介されている。
これはハジェテペ大学の研究論文をもとにした理解力を高める本の読み方を紹介します。どの方法にも共通するのは主体性と言われています。受け身の姿勢ではなく、好奇心・想像力・質問力などを駆使して本を読むことで読書の効果を高めてくれます。
テクニックの一つ予測読みは、名前のとおり内容や書かれていることを予想してから本を読みます。
タイトルやカバー・著者のプロフィール・帯・目次など、本は文章に入るまでにたくさんの情報をもっています。
本の内容を読む前に、この本にはどんなことが書かれているのか?自分がほしい情報が書かれているのはどこか?を考えてから、必要な部分を読み進めることです。
読み進めるときには、自分の予想していた内容とあっているか・違っているかを確認。
予想通りだった場合は、すでに知っている知識なので確認程度。意外なことに、ラッキーなのは、予想が外れたときです。
なぜなら意外性がある内容が書かれていると、記憶に残りやすくなるメリットがあります。
本の内容は論理構造でイメージしたりマインドマップをつくったりして視覚化しましょう。こひー書店もマインドマップはよく活用しています。
文字で理解したことをビジュアル化するとストーリーをもたせることができたり理解をビジュアルで補うことができます。ストーリーで覚えることによって人に話せるし、記憶の定着にも有効です。
難しい教科書で読むとさっぱり分からないけれどマンガで読むと分かるのも、視覚化されてストーリーとして記憶されたからですよね。
つなげ読みテクニック
Text-to-Text
「この本に書かれている内容、前に読んだあの本にも書いてあったな~」「この内容、あの本を思い出すな~」
Text-to-Self
読書術で自分の行動と結びつけて理解力&記憶力アップします。「これ、あのときのアレっぽいな」「わたしのあの体験とはちょっと違うな~」などと、本で読んだ知識と自分の体験を比べたり結びつきを考えながら読むことです。
Text-to-World
これまでに読んだ本や体験したことでなくても、ニュースで見たことや世間のできごとと重ね合わせて考えるを使った場合も本の知識が記憶に残りやすくなります。
そのひとつとして紹介されているのが「自分の言葉で本の内容を要約する」というテクニックです。読書をして印象深かった著者の言葉をメモに残す人は多いと思うが、それでは書き写したことに脳が満足してしまい、記憶には残りづらいと言われています。
「自分の言葉」で本の内容を要約してはじめて、その知識は自分のものになるのです。読書で得た知識は役立ててこそ、意味があります。
第四章
本の内容を実生活で役立てるアウトプット方法が紹介されています。本は読んで終わりにしてはいけません。「読書で自分を変えたい」そう感じた時の“自分への投資として、この1冊は最適です。人生に影響を与えうる、意味のある本の読み方を教えてくれます。
大切な事は
- 本を読む準備をする
- 本の読み方を知る
- 本から得た知識をアウトプットする
ワシントン大学の研究によると、「本の内容を教えるつもりで読む」だけで記憶への定着率が28%も上がることが判明しています。
この研究の面白いところは、「実際に説明する必要はない」ということです。アウトプットを想定していない読書は、ただ読んで分かった気になっているだけの無駄な読書になってしまう危険性があります。
これは、「教科書を読むだけでなく、実際に問題を解いてみると理解が深まる」「理解したつもりだったけど、他人に解き方を説明できない」といった結論だけで過程を説明できな人ににています。
まとめ
本書はとてもわかりやすく本を読むためのチュートリアル本のようでした。よく本を読めないという人や勉強ができない人がいます。その理由としてやり方をわかっていない人がほとんどです。運動しようにも練習の仕方を知らないのに上達はしません。本書を読めば、あなたも読書家の仲間入りですね。