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「, (カンマ)+which ~」 が使えたら途切れなく英語が話せる【同時通訳者・横山カズ】

「, (カンマ)+which」 が使えたらとぎれなく英語が話せる【同時通訳者・横山カズ】

同時通訳者の横山カズ先生が、英語スピーキングの大人気講師としても活躍する中で、実際に役に立った「無限のスピーキング力上達法」を教えます。第7回は、「, (カンマ)+which」 を使って英語をとぎれなく話せるようになる方法を紹介します。

皆さん、こんにちは。同時通訳者の横山カズです。

前回までは英語スピーキングの瞬発力を得るためのテクニックをお伝えしてきましたが、今回は、日常の会話や、会議でも気後れしないで自分のタイミングで会話に切り込んでいく、「返し技」のテクニックを紹介します。

スピーキングのカウンター技!「,(カンマ)which

「英語だと言い返せない」「質問されても瞬時に返事ができない」「ほとんど話せなかった」「聞き取れるのに何も言えない」。このような、悔しい思いを経験したことはありませんか?英語のスピーキングを習得する過程では必ずぶつかる壁のようです。

普段から英語を音読したり、インプットに励んだりしていても、オンライン英会話や、英会話クラスで思った通りにうまく話せない場合、その原因の多くは「出だし」「つなぎ」「さえぎり」の技術が足りないからです。これらの技術をマスターすれば、普段練習していることが存分にアウトプットできるようになります。

私は20代のころ、このテクニックにたどり着くまでに数年を費やしましたが、その後この技術は同時通訳、ディベート、ディスカッションなどの技術を競う「ICEE(Inter-Cultural English Exchange:国際コミュニケーション能力検定)」で2度優勝した際にも非常に威力を発揮しました。

今回は時間をかけずに手っ取り早く、会話の「返し技」の型を伝授したいと思います。 型の名前を「, (カンマ)+which」としましょう。「, (カンマ)+which」は、スピーキングの際の強力な味方になります。相手が話している英語の内容を丸ごと「先行詞」として使うことができて、しかも自分が話すチャンスを生み出す「返し技」なのです。

では、どうやって味方にするのか?簡単です。4つの連続した「返し技」をさっそく見てみましょう。

自分のペースで会話を運ぶ「返し技」4つとその流れ

まずは、会話に参加するタイミングを自分で決める。つまり、相手の話にどのタイミングで反応するのかを決めます。そうしたらすかさず「, (カンマ)+which」と、声を出してみましょう。その後は、続く3つの返し技で会話のペースを自分のものにしていきましょう。

返し技1:出だしは「, (カンマ)+which ~」

「, (カンマ)+which」は、出だしです。会話に参加するタイミングを自分で決めて声を出してみましょう。相手に同意するように攻めていくときも、相手に反論するときも両方に使えるので大変便利です。

  • , which is a good idea ...(で、それっていい考えですよね) 
  • , which is not a good idea ...(で、それってあまりいい考えではないですよね)

返し技2:返し技1に続けて理由を述べる

「, (カンマ)+which ~」の「~」に当たる部分で、理由を述べましょう。

  • 「だって、~じゃないですか」と言う場合は「because +主語+動詞
  • 「理由はいくつかあるんです」と言いたい場合は「 and I have a few reasons ...」

あえて、理由の数を限定しない方が賢いのです。例えば、「3つあります!」と言った後に万が一、2つしか言えないと恥ずかしい思いをしますからね。

返し技3:意見をまとめる

自分の言いたいことを念押しするように、一言でまとめます。

  • That’s why I think ~. (そんなわけで~だと思うんです)

返し技4:投げ返し

最後に、会話のボールを相手に返しましょう。

  • So, what do you think?(で、そちらはどう思われますか?)

4つの「返し技」をつなげると、途切れなく英語が話せる

出だしから、投げ返しまでの一連の例を音読してみましょう。

会話例1

日常会話の一例です。自分に起こり得る場面を想像しながら音読してみましょう。

相手:That's why I'm saying what I'm saying. Like I said, we can't go like
this forever and we should make some kind of positive change ...

自分:【返し技1】, which is a good idea【返し技2】because making a big change like that is something we need, and I was also wondering how we can make it happen.【返し技3】That's why I think we should start talking about it more specifically.【返し技4】So, what do you think?

相手:だからこうして同じことを口を酸っぱくして言ってるんだよ。さっきも言ったけど私たちこのままでは駄目だと思うし、何かいい方向に変化を起こさないとって・・・

自分:【返し技1】で、それっていい考えだと思う。【返し技2】どうしてかって言うと、そういう大きな変化は必要だし、それを私たちがどうやれば実現できるかなあって思ってたんだ。【返し技3】だから、もっと具体的にこの件について話し合うことを始めたらいいと思う。【返し技4】で、そちらはどう思う?

会話例2

会議中の会話の一例です。相手の言っていることは「会話例1」と同じですが、相手に賛同しないときの切り込み方を音読してみましょう。

相手:That's why I'm saying what I'm saying. Like I said, we can't go like
this forever and we should make some kind of positive change ...

自分:【返し技1】, which is not a good idea【返し技2】and I have a few reasons. First, it's too drastic and we need some more time to assess the risk involved. Second, for us to make that kind of change, we have to make sure all the related parties agree on the whole plan. Third, it may lead to massive layoffs and we should be prepared for the aftereffects.【返し技3】That's why I believe we should give ourselves some more time to reconsider this issue.【返し技4】So, what do you think?

相手:だからこうして同じことを口を酸っぱくして言ってるんですよ。先ほども申しましたが、私たちはこのままではよくありません。何かいい方向に変化を起こさないと・・・

自分:【返し技1】で、それには賛同できません。【返し技2】理由はいくつかあります。1つ目は、(この計画が)急激過ぎるということと、関連リスクの評価をするための時間が必要だということです。2つ目は、そのような変化を実現するには、関係者から確実にこの計画に対して賛同を得なければならないということです。3つ目は、(この計画は)大量解雇につながりかねないので、その余波に対して万全の備えをするべきだということです。【返し技3】だから、この件については再考する時間を私たちは取るべきだと考えます。【返し技4】で、そちらはどう思われますか?

スピーディーに行われる実際のディスカッションやディベート、プレゼンなどのQ&Aにおいて、きれい事は言っていられません。

「返し技」のパターンはほぼ無限に考えられますが、まずはこの使いやすい「型」を1つ、音読でマスターして、自信を得つつ、さまざまな自分らしいパターンに発展させていってくださいね!

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横山カズ

文:横山カズ @KAZ_TheNatural

関西外国語大学 外国語学部スペイン語学科卒。同時通訳者(JAL)、翻訳家、武蔵野学院大学 国際コミュニケーション学部 実務家教員、英語講師。エスコラピオス学園 海星中・高等学校英語科特別顧問。学びエイド、リクルート・スタディサプリENGLISH講師。英語を日本国内で独学し、航空・IT・医療・環境・機械・国際関係・文学など多分野で同時通訳者として活躍中。JAL(日本航空)グループ、楽天株式会社では英語力向上と社内公用語化に貢献。英語4技能・英語スピーキングのエキスパートとして日本全国で授業と講演を行っている。発音検定EPT100(満点・指導者レベル)ICEE(国際英語コミュニケーション検定)2回優勝、英検1級。著書多数。ジパングマネジメント株式会社・文化人枠所属

編集:増尾美恵子