「指輪物語」トールキンの息子クリストファー氏死去 父の遺作を多数出版
【1月17日 AFP】映画化され大ヒットした小説「ロード・オブ・ザ・リング(指輪物語、The Lord of the Rings)」の著者である英作家J・R・R・トールキン(J.R.R. Tolkien)の息子で、編者としてトールキン作品の多くを世に送り出したクリストファー・トールキン(Christopher Tolkien)氏が死去した。95歳。トールキン協会(Tolkien Society)が16日、発表した。
クリストファー氏は英オックスフォード大学(University of Oxford)の古英語・中世英語・古期アイスランド語の元講師で、1954年に出版された「指輪物語」のため「中つ国(ミドルアース)」の地図を描いたことで知られている。
また1973年に死去した父の残した原稿をまとめるのに多くの時間を費やし、「シルマリルの物語(The Silmarillion)」(1977)や「The Fall of Gondolin(原題:ゴンドリン陥落)」(2018)など、多くの作品を出版した。
クリストファー氏は父親の作品の「商業化」には批判的で、仏紙ルモンド(Le Monde)との2012年のインタビューでは「トールキンは怪物になってしまった。その人気にむさぼり食われ、現代の不条理にのみ込まれてしまった」「商業化が作品の美的・哲学的影響力を損ねてしまった」などと語ったと報じられている。
1924年11月21日、英リーズ(Leeds)生まれ。第2次世界大戦(World War II)中は英王立空軍(Royal Air Force)に入隊し、南アフリカに派遣された。(c)AFP