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【茨城】取手いじめ自殺 「全員担任制」を提言 新年度、小中学校で導入へ
取手市で二〇一五年に市立中学三年の女子生徒=当時(15)=がいじめで自殺した問題で、学識者らの「市いじめ問題専門委員会」(委員長・藤川大祐千葉大教授)は十八日、複数教員による「全員担任制」の導入などの再発防止策を市教委に提言した。伊藤哲教育長は会見で、二〇二〇年度から市内の小中学校で提言内容を導入していく方針を表明した。 (宮本隆康) 市教委によると、全員担任制が導入されれば、県内の公立小中学校では初めてとなる。 再発防止策は、学校に対して十項目、市教委には五項目、県教委に二項目、市教育委員に一項目の計十八項目を提言している。 学校向けには、担任一人で対応できなかったことを踏まえて、全員担任制など複数の教員で生徒を見る制度の導入を求めた。全員担任制は東京都で実施例があり、提言では一週間ごとに担任が代わったり、面談する教員を選べるようにする方式を挙げた。 藤川委員長は会見で「教員も、さまざまな人がいるのは当然。組織として対応できるようにすることを考えた」と述べた。 昨年十月に素案を公表し意見を公募したところ、「十分に生徒を見られないのではないか」「連携が取れないのでは」との懸念が寄せられたという。藤川委員長は「先行事例に学び、各校に合った方法を検討してほしい」と理解を求めた。 また、教員同士で情報共有する「教育相談部会」を定期的に開き、主任などの担当教員を置くことを提案。生徒が校外に相談できる体制も求めた。 市教委に対しては、いじめなどの重大事態に対し、学校の意見を確認して対応するよう要請。審議の際は、根拠となる法令を示すことも提言した。 専門委は、大学教授や弁護士、臨床心理士の六人で構成。市教委の一連の不適切な対応を受け、一八年に設置された。 PR情報
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