「究極のユーティリティープレーヤー」として、東京オリンピック(五輪)金メダルを目指す侍ジャパンのキーマンになりうる存在が、17日に自主トレを公開した西武の外崎修汰内野手(27)だ。内外野を守れるだけでなく、パンチ力、走力ともに抜群。稲葉監督も深い信頼を置いている。強いチームに欠かせないユーティリティープレーヤーとは? 角度を変えながら掘り下げる。

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五輪メンバーにおけるユーティリティープレーヤーの位置付けは極めて重要だ。プレミア12の28人から4人少ない24人でチームを構成。現状では投手は11人または12人の構想で、野手は12人か13人になる。控え野手は4~5人と限られ、さらに勝敗自体で決勝まで最少5試合、最多8試合という変則方式が拍車をかけて選考を難しくさせる。

その状況下で二塁、三塁、遊撃手、外野も左翼、右翼と5つのポジションを守れる外崎は超万能型だ。今の球界で、これだけの位置を守れるレギュラーの選手はいないだろう。プレミア12で代走周東の異能ぶりから「スペシャリスト」に脚光が集まったが、稲葉監督は大会後に「トノ(外崎)もユーティリティーというスペシャリスト」と高く評価していた。

日本ハム近藤も別タイプのユーティリティープレーヤーといえる。外野手が主だが、昨季は三塁手でも30試合出場した。捕手出身で、プレミア12で捕手3人を使い切った初戦ベネズエラ戦では第4の捕手としてスタンバイ。大胆な選手起用を可能にさせた。東京五輪ではエース、4番もチームの軸となるが、多様性のある選手の有無が、チームの根幹に関わってくる。【侍ジャパン担当=広重竜太郎】