文化庁は16日、漫画などを海賊版と知りながらダウンロードする行為を違法とする著作権法改正に関する検討会の報告書をまとめた。スマートフォンの「スクリーンショット」(画面保存)への写り込みや、数十ページの漫画の1コマなど、軽微なダウンロードは違法としない方針を柱とする。海賊版サイトに誘導する「リーチサイト」を規制する方針も盛り込んだ。
文化庁の当初案ではスクリーンショットを含む全てのダウンロードが規制の対象だったが、インターネット利用の萎縮につながるとの批判が相次ぎ、対象を絞り込む方針に転換した。同庁は報告書をもとに、与党内での議論などを経て著作権法改正案をまとめ、20日召集の通常国会への提出を目指す。
全3回の検討会の会合では、規制の対象を「著作権者の利益を不当に害することとなる場合」にさらに限定するかについては意見がまとまらなかった。報告書は「(ネット利用の)萎縮を懸念する声が多い」といった意見と、「海賊版対策の実効性が失われる」とする意見の両論を併記した。結論は今後の政府・与党の検討に委ねるとした。
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