スタッフ TBSと共同で『まんがはじめて物語』の制作をしていたダックスインターナショナルの創業者であり、本作のプロデューサーである丹野雄二さんは亡くなられたのですが、その奥様で現社長の稲垣美穂子さんも、『まんがはじめて物語』やモグタンをすごく大切にされていて。「青少年の心を育てる会」というNPO法人で、イベントもされたりしているんです。そのイベントに、津賀さんもゲストとして出演されたんですよ。
津賀 大きな着ぐるみのモグタンと一緒だったのですが、子供たちにも人気者でした。きっと、お父さんやお母さんが子供の頃に好きで、一緒に参加してくれたのだと思うのですが、子供たちも「クルクルバビンチョ」って呪文を言えたりするんですよ。
──世代を超えて愛されているのですね。ところで、津賀さんはどのような経緯でモグタンを演じることになったか教えてください。
津賀 最初は何が何だか分からないままやることになっていたというか(笑)。オーディションで決まったのですが、正直、私は「この役をやりたい!」とか「絶対にやるぞ!」みたいな気持ちで受けていたわけではなく。当時、劇団(劇団NLT)の研究生で、その中でも一番下だったのですが、劇団の人に「テレビアニメのオーディションがある」と言われて、先輩たちと一緒に受けることになったんです。私を入れて10人はいないくらいだったかな? 当然、その中でも私が一番下だったから、絶対に受かるわけがないと思っていたんです。それ以前にCMのオーディションは受けたことあったのですが、テレビ番組のオーディション自体が初めてだったと思いますし、アニメの声優の経験もありませんでした。オーディションでは、セリフを書いた紙以外、モグタンに関する資料は何も無かったので、役作りをするという感覚もなくて。ただ、自分がやりやすい感じでやっただけ。一応、子供っぽい感じの方が良いんだろうなと意識したくらいでした。そうしたら、私が受かってしまったんですよね。そういったはじまり方でしたから、その後もモグタンは、演じるとか、役柄を作るとか、そういった存在では全然ありませんでした。だから、久しぶりにモグタンをやることになっても忘れたりすることは全然なくて、自然にすっとモグタンになれるのでしょうね。