NEWS

スマホの「自分撮り」画像が原因で部隊が全滅……米海兵隊の対抗演習

海外軍事 Comments(0)
スマホの「自分撮り」画像が原因で部隊が全滅……米海兵隊の対抗演習
U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. Wesley Timm/Released
This photo is for illustrative purposes only.
誰もがスマートフォンのような高度な電子機器を持つようになった現代では、思いもよらない些細なミスが破滅的な結果を招き寄せることがある。先日、とある演習では「セルフィー(自撮り写真)」が原因で全滅した部隊がある。
カリフォルニア州モハベ砂漠の中にあるトウェンティナイン・パームズには、海兵隊の演習場が存在する。そこで海兵隊、海軍、NATO加盟の軍などから1万人が参加する対抗演習が行われ、参加者は通常の砲火だけでなくドローンやハッキングなど、あらゆる攻撃にさらされた。

その中のあるチームはちょっと変わった方法で全滅した、と 海兵隊情報部門副司令官ロレッタ・レイノルズ中将が明かしている。海兵隊員の一人がセルフィーを撮影したことが原因であるという。

その画像がどのようにして情報部門の網にかかったのかについては詳しく言及されていないが、セルフィーの背景に砲兵部隊が写り込んでおり、位置や勢力を特定することが可能だったという。このためこの部隊は「全滅」判定となった。

「その海兵隊員は大いに落胆したと思う。しかし実戦ではなくトウェンティナイン・パームズでこれを学ぶことができてよかった」レイノルズ中将はネットの普及による情報保全の難しさについて語っている。

スマートフォン自体が発する電波や、顔認証時に使用される不可視波長のIRフラッシュなど、電磁気的な痕跡についての害はよく言われることであるが、いわゆるSNSのような情報をシェアするプラットフォームは近年大きな問題になりつつある。

本人が機密情報を漏洩せずとも、例えば「○○師団にいる息子が○○から写真を送ってきた」というようなSNSの投稿を多く集めれば非常に高い精度で部隊の位置を割り出すことができる。

「共有サービス」では驚くような情報が漏洩することがある。例えばジョギングの記録を共有する「Strava」では、ウェアラブルデバイスによってどのようなコースを走ったかを自動的に収集する機能があり、他のユーザーと地図上でコースを共有することができる。2017年、基地内の道路でジョギングしていた兵士達がこの機能を使用していたため、アフガニスタンの前線基地の位置が地図上にくっきりと浮かび上がるという騒ぎがあった。

How a Fitness App's Heat Map Uncovers Military Bases | NYT - YouTube

インターネットとWebサービスは高度化の一途をたどっており、ひと目見ただけでは自分のどんな情報がどれほど送信されてしまうかを判断するのが難しくなっている。「シェア」を楽しむ際は、ネットが情報戦の最前線であることを忘れないほうが賢明である。

Source: A Lance Corporal's Phone Selfie Got His Marine Unit 'Killed' at 29 Palms | Military.com

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM202001
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


同じカテゴリー(海外軍事)の記事画像
寒くても手袋不要、米陸軍の新装具「アームヒーター」で手先作業も楽々。一般販売も視野に
米CIAが極秘裏に作り上げた「暗殺用毒ダーツ銃」
フランス陸軍が新制式セミオート狙撃銃としてFN社のSCAR-H PRを採用
アメリカ空軍の研究者が伸縮しても導電性の変化しない特殊な金属素材を発見
フランスが軍用拳銃『Glock17』×74,596挺を発注
デルタフォースが人質奪還に初成功した「アシッド・ギャンビット作戦」30周年
同じカテゴリー(海外軍事)の記事
 寒くても手袋不要、米陸軍の新装具「アームヒーター」で手先作業も楽々。一般販売も視野に (2020-01-16 16:03)
 米CIAが極秘裏に作り上げた「暗殺用毒ダーツ銃」 (2020-01-15 12:20)
 フランス陸軍が新制式セミオート狙撃銃としてFN社のSCAR-H PRを採用 (2020-01-14 17:26)
 アメリカ空軍の研究者が伸縮しても導電性の変化しない特殊な金属素材を発見 (2020-01-09 14:14)
 フランスが軍用拳銃『Glock17』×74,596挺を発注 (2020-01-07 20:50)
 デルタフォースが人質奪還に初成功した「アシッド・ギャンビット作戦」30周年 (2019-12-27 19:03)
この記事へのコメント
コメントはまだありません。
コメントを投稿する

この記事をブックマーク/共有する

新着情報をメールでチェック!

ミリブロNewsの新着エントリーをメールでお届け!メールアドレスを入力するだけで簡単にご登録を頂けます!

[入力例] example@militaryblog.jp
登録の解除は →こちら

ひとつ前のニュース ひとつ次のニュース

PageTop